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思いやりの気持ちを教えてもらった本

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子供の頃、「泣いた赤鬼」という本を読みました。
図書館で読んで感動して、借りて帰って家で何度も読みました。
 
人間と友達になりたい赤鬼のために、仲良しの青鬼が協力をします。青鬼が人間の村でわざと暴れる。そして、そこに赤鬼が登場し、青鬼をやっつける、という分かりやすい劇をするのです。
そのおかげで赤鬼は人間たちと友達になることができたのですが、ふと気がつくと青鬼の姿が見えません。赤鬼は青鬼の家に行くと貼り紙がしてあります。青鬼は、自分と赤鬼が仲良くすると人間に疑われるからと村を去っていたのです。
 
これは、子供の頃読んだ本で一番心に残っている本です。
 
今思えば、文章がここまで人に感動を与えるものなのかということを知った初めての体験だったと思います。
 
そのとき、私は、なぜ人間は青鬼を受け入れることができないのかな、と疑問に感じました。
青鬼だって素晴らしいし、人間にもちゃんと話せば分かってくれるはずだ、皆仲良くすればいいのに。と思ったのです。
 
やはりここは、大人の書いた作品です。
青鬼は深い思いやりを持って、想像力を働かせたのです。
違う展開もあったかもしれませんが、青鬼の美学が許さなかったのでしょう。
 
思いやりとは想像力であり愛だということ。
子供はなかなかそこまで解釈できませんが、何となく感じることは出来たのだと思います。
 
今でも自分の人格は、幼い頃の絵本の体験から基本的に変わっていないような気がします。
私は、大事なことを絵本から教えてもらいました。

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