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ライフワークとしての学びを考えます。

「分かる人だけに分かればいいさ」 言った瞬間ラクになってしまう言葉の麻薬

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「私その世界のことよく分からないんです。でも興味あります。」
 
という立場の方とご一緒すると、本当に勉強になります。
人生にとって新しい世界が開けます。
 
知ったかぶらずに素直に「その意味教えて」「言っていることが分からない」と平気でバカの壁を乗り越えてくる人は、宝の山を背負ってやってくる。
有難い人なのです。
 
そういう経験をして、あらためて専門家同士で仕事をしていると、いかに私たちが「知の呪縛」にかかっているかを思い知ります。
 
例えば、私たちが専門家以外の方々に、新しいことや大事なことをお伝えしようと思ったとき、「これなら通じるはず」「普通人間ならこれくらいは出来るはず」「理解できるに決まっている」「これは絶対良いにきまっているから気に入ってくれるはず」「高級なものは誰にでも通じる」と、自分たちの思い込みで物事を推し量って決めてしまう。
もう一つは、「そこまで下げたくない」「そんなことをするために今までやってきたわけではない」と思ってしまう。
 
そして最後は「どうせわからないんでしょう。分かる人だけに分かればいいさ」「どうせ分かんないんだからこの程度にしておけ」という自己限定に向かう。これは、ある意味、言った瞬間大変楽になる麻薬のようなものです。「汗をかくこと」を放棄した瞬間です。
 
知の呪縛とは、すなわち専門家の自己限定にはまっているのです。
 
そうなると、良心から「よく分からないけど興味ある」という人たちの言葉が見えなくなる。彼らは、自己限定の壁を簡単に打ち崩してくれます。
 
その言葉に耳をかたむけると最初はショックを受けます。
 
「こんなことが通じてなかったのか!」
「私は今まで自己満足だったのか!」
 
でも、それは、何年、いや何十年もやっていれば分からなくなるのは当然です。
 
そこから、頭を悩ませながら、どうしたら伝わるか、通じるか。
考えるのは、今までの過去を否定するような気持ちにもなることがありますが、やはり最後は自分が良いと思っているものをぜひ伝えたいという気持ちが勝ります。
 
いつか自己限定というエゴの壁を突き崩したい。
より多くの人と幸せを共有したい。
その気持ちで続けています。

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