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ライフワークとしての学びを考えます。

私は人に年齢を聞いたことがない 知らないほうがよいのは理由がある

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よくお手伝いをさせていただいていた料理研究家の先生が、若いときに料理本を出すとき、写真をわざと老けて見せるように撮影したそうです。
和食の本だったのですが、著者紹介の写真は、和服を着て、髪をアップにし、やはり実際よりは大人っぽく見えます。
 
編集者から、「特に和食系のこういう本は、著者が若く見られないほうが良い」と言われたのだそうです。
編集者は、「このジャンルならどういう読者層が買うのか」ということをよく分かっていて、和食の本は平均年齢が少し高いので、経験があって信頼性があるように見せる必要があったということでしょう。
その先生は、ずいぶん早熟な才能を持っていて、若い頃から、完成度の高いレシピを創作していましたが、読者は「若いのに才能があってよい」と思って本を買うのではないのだそうです。
 
それはなんとなく分かります。
 
先生は、才気あふれて、自分の店もオーナーシェフとしてきりもりし、若い頃から経営者としても経験を積んでいるだけあって、年齢よりとてもしっかりした人です。でも読者は、料理本だけみて、そこまでは想像できないでしょう。
 
合唱指導も、似ているところがあります。
 
アマチュアの合唱業界は平均年齢が大変高く、自分の親と同じくらいの方々を指導していかなくてはなりません。
指導者が若くて、しかも女性だと、年配の方がなかなか言うことを聞いてくれないという話は、女性同業者の方々共通の課題です。
だから、年齢を聞かれてもなるべく言わないようにしているというのも、若く見られたいというのと正反対の理由です。
 
もちろん、素晴らしくよく出来た合唱団もあって「この若い人から新しいものを学ぼう」と思ってくださる方も大勢いらっしゃいます。
ただ、経験から言うと、その逆があることも確かなのです。
 
教える内容は同じだったとしても、「この人は経験豊富だ」と思い、素直に学ぶ体勢ができることで、結果、パフォーマンスがあがる場合が多いのです。
 
 
最初に、良い印象を与えたり、良い暗示をかけると、相手からポジティブな反応が返ってきます。
未熟なのを虚勢を張れば透けて見えますので逆効果ですが、最初に与える印象がかなり結果を左右するのだと思っています。
 
良い意味で、プライミング効果を味方につけることが、良い仕事につながるのではないかと考えています。
 
そして、自分自身も、誰かに何かを学ぼうと思ったら、年齢を聞きません。
先入観というものは、意識していなくとも自分の中でコントロールするものが動くからです。
自分が成長したいと思ったら、相手が年下であろうと年上であろうと関係ありません。教えを受けて「良く考えたけれどやっぱり違うと思う」というのは、後からでもよいのです。まずは、まっさらになって受けいれてみることだと思います。

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