良い声を出すためにはアンパンマンになるのがよい
良い声を出そうとトレーニングをしていると、実際発声するとき、「あれもしなきゃ」「これもしなきゃ」と頭の中がいっぱいなってしまい、顔が必死になってしまいます。
それは、傍目でみていると無表情で、声だけよくても肝心な内容が伝わらないという結果になりがちです。
そして、「必死の顔」になると、実際に声の響きが落ちてしまい暗い印象になってしまうのです。「この人怖い?」と思われてしまう場合もあります。
見た目だけでなく、声自体も連動してしまうのです。
もちろん、何も考えなくても自然に良い声が出せて、感情が表現のほうに集中できればよいのですが、そうなるまでには時間がかかります。
だから、最初にトレーニングをなさる方には、発声のためにいろいろと忙しくても、顔だけは「にっこりしてくださいね」とお願いします。
にっこりすると何がいいのでしょうか?
理由があります。
声が明るく響くことです。
人が声を明るく響かせるための共鳴板は、鼻の後ろあたりにあると意識していただくのが良いのです。
ただ、そこを共鳴させるためには、頬が下がっていては響きません。
頬はいつも上がっている状態が良いのです。
にっこりすれば、どんな人でも頬は上がります。
ただし、にっこりし過ぎは、声が明るくなりすぎて響きが薄っぺらくなりますから気をつけて。声をよく聴きながら頬をあげてみてくださいね。
もう一つ。
場合によっては、にっこりしていると「真剣味が足りない」「反省しているのか」「ふざけるな」と言われかねません。
そういう場合は、頬だけで「にっこり」します。
目は真剣でも、頬だけをあげるということです。
よくみると、声の良い方は深刻なことをしゃべっていても、頬だけは上がっています。
そんなことができるのかしら?
と思われるかもしれません。
ふだん、ちょっとしたトレーニングをしていればすぐに出来るようになります。
だから、私は、ボイストレーニングと同時に「わりばしトレーニング」もおすすめしているのですよ。
わりばしでなくてもいいのですが、ごはんを食べ終わったら、ご自分のおはしを横にして口にくわえてながらお茶碗を洗ってください。洗っている間中はくわえているのです。そしてすべての食器を洗い終わったら、自分の箸を洗っておしまい。
そのぐらいの時間をキープできるようになると、頬をあげる筋肉が顔についてきます。
理想は、「アンパンマン」の顔ですよ。
ぜひ試されてみてください。