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ゆっくり話せば上手くなる スピーチの達人「大将」はなぜゆっくり話すのか

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本番などが続いたりすると、ひどいときは口も効きたくないほどになってしまいますし、自分でストレッチする気力もわかない。こんなときはもう誰かに助けてもらわないとダメで、神様仏様とばかりに整体に飛び込みます。
 
先日お願いした方がとても上手でした。
上背があり手も大きく、最初にフッと触れただけですぐに良くない場所を当ててきます。終わったあとは、自分の身体じゃないみたいに軽くなるのです。
 
こんなに素晴らしいのに、一つ気になることがありました。
 
技術もある。腕も確か。細やかな気遣いもある。そして、声質は低音でよく響き落ち着きがありますので安心感を与えてくれます。
 
ただ残念なことに言葉がはっきりしないのです。
 
あまりに言葉がモヤモヤとしているので、そばで聞いているのに聴き取れず、「上向きに寝てください」と言われているのに「うつぶせ」に寝てしまったり、何度も聞き返してしまうほどでした。
それでもよく分からなかった内容もあり、せっかく良い素質を持っていても、お客さん相手の職業なのでもったいないと思いました。
 
聴き取り難い原因は、口の中が狭く早口、舌が上顎に届かないところで空振りしているせいです。
 
早口なのは自信がないように感じられます。
もしかしたら、過去にどこかでしゃべり方を厳しく指摘されたことがあって、気になさっているのかもしれません。
 
早口の場合「それなら、ゆっくりしゃべれば簡単なのでは」と思われがちなのですが、これは意外に難しいのです。
 
以前、プレゼンやスピーチでとても早口、さらに言葉の語尾がはっきりしない方に「ゆっくり話してはどうでしょう」とアドバイスしたところ、「緊張するとどうしても早くなってしまう」と、坂を転げ落ちるように加速していました。また、ご自分であまりにゆっくり話していると、「いつものリズムと違うので、自分が何を言っているのか分からなくなってしまう」のだそうです。
 
滑舌(かつぜつ)がよくないのは、舌の筋肉を鍛える簡単な方法があります。
「舌筋を鍛える簡単なトレーニング方法 これで滑舌が良くなり歌にもプレゼンにも効果があります」をご覧ください。
滑舌は鍛えることができるのですが、あまりに早口になってしまうと、やはり聞こえにくいと思います。
 
ぜひ、まずは落ち着いて「ゆっくり話すこと」。

こんなにゆっくり話していいの?と思うほどで聞き手には丁度良く聴こえています。自分はよく知っている内容ですから早くてもついて来られるかもしれませんが、聞き手は初めて聞く内容なのです。聞き手の足並みに合わせるように、手を引くように、ぜひ心をこめて大袈裟にやってみてください。もし難しければ、ここだけはどうしても伝えたいという場所だけでも良いと思います。
 
最初慣れなければ、言葉を区切って話してみることをお勧めしています。
私の知っているスピーチの上手な方で、みんなに「大将」と呼ばれている社長さんがいらっしゃいます。聞き手の顔をしっかり見て確認しながら、言葉と言葉の間にかなりの間をとっているのですが、少しも嫌味でなく、話した内容がいつまでも頭に残っています。伝わっているということなのです。
 
「ゆっくり話せば上手くなる」と私は考えます。
 
皆さん、大抵はとても素晴らしいコンテンツをお持ちなのですから、ぜひ「伝わる話し方」を少しでも気をつけていただくことで、さらによくなるのではなられるのではと思いました。

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