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ライフワークとしての音楽を考えていきます

音楽がひょうげる面白さ

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2012年7月28日私が運営・指導するコール・リバティストの練習を行いました。
 
この日から、山田耕筰作曲・増田順平編曲の「あわて床屋」を勉強し始めました。
 
「あわて床屋」は作品の最初に「のどかに ひょげて」と書かれています。
 
週刊モーニングで連載中の、山田芳裕さんの漫画「へうげもの」は、「ひょうげもの」と読みます。
古田織部は、利休の「わびの美」からさらに推し進め、歪んだ茶器に「一笑の美」を見出し、至高の価値を追求します。そこに「ひょうげる」「ひょうきんなことをしたりおどけること」の意味を込めたのでしょう。
 
曲の冒頭に「ひょうきんに」と書かないところに、作曲家・山田耕筰の意図が感じられて面白いですね。
 
「あわて床屋」は、カニの床屋さんが、あわててウサギの耳を切ってしまうというお話し。カニのせかせかと動く様子が見事にリズムや節回しで表現されていて、山田耕筰の筆の冴えを感じます。
 
この日は、夜にマエストロ(本番の指揮をする人のこと)をお招きしたのですが、昔は田舎の庭にカニがいっぱいいたとのお話をしていただきました。
カニは、じっとしていると思ったら、急に動く。その動きに特徴があるのだそうです。
作品の中で、スローモーションのような動きをしたと思ったら、急に動きだす場面がありますが、カニの動きをリアルに表しているというわけですね。
 
技術的なことを言いますと、こぶしをつけるような節回しの音が、それぞれのタイミングや音程で歌ってしまうと合唱にならないので、難しさを感じます。その部分だけ、音の集団が「混線状態」になってしまうのですね。30人ほどがしっかりと同じ音を歌うということにも一つの技術だということを実感します。
 
アカペラで伴奏がつかない作品なので、皆さんで音楽作りをしていくつもりで歌っていきましょう。
 
「蔵王」の「雪むすめ」も練習しました。
旋律の歌詞を、伴奏が鳴ってから歌い始めるので、演奏が「地引網」のようになってしまいます。
カラオケなどではそれでも良いのですが、クラシックの演奏では、まず自分が音楽を作っていき、それにあわせて伴奏するというのが理想のかたちです。
歌詞の意味が伝わるように自分が説明するように歌っていくことが大事ですね。
練習を重ねて、歌詞が身体に入っていけば、解決してくると思います。
 
ただ音程が正しかったとか間違えませんでした、というより、感情や音楽の内容を描き出すような音楽が出来るようになるといいですね。

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