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ライフワークとしての学びを考えます。

歌詞の意味が違って聴こえていることに気がついていますか

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歌が上手な人というのは、どんな歌詞であったとしても旋律が滑らかにつながって聴こえます。
 
そういう方は「子音のさばき方が上手」と言われます。
 
特に、[t][k][p]などの「音程がつかない子音」が入ると、メロディがぶつ切りになってしまい何を言っているのか分からなくなります。
歌っている本人はイメージを持っているので分かっているつもりなのですが、聴いている方は初めてなので、音楽が伝わらないし、音がブツブツ切れると「あまり上手ではない」ように聴こえてしまいます。
 
2012年7月14日、私が運営する合唱団「コール・リバティスト」の稽古を行い、夜にはマエストロ(本番指揮をする人のこと)にいらしていただきました。
 
7月22日の東京都合唱際出演で、佐藤眞作曲の「蔵王賛歌」と「早春」を歌います。
 
「早春」では「そよ風わたり~」の歌詞がなかなかなめらかにつながらず苦労しました。
その原因として、「わたり~」の「わ」から「た」に移行するときの音が切れやすいことがあげられます。
 
「わ」の「あ」の母音から「た」の[t]の子音にいくときにどうしても切れてしまう。
「ワッタ~り~」と聴こえてしまうのです。
 
マエストロいわく、極端に言うと琉球言葉の「ワッターウミンチュター」(私たち海人達)の「ワッター」(「私たち」の意味)のように聴こえてしまうというわけです。
子音のさばきが悪いと、お客さんには違った意味に伝わるという、悪い冗談のような結果になってしまいます。
 
この部分のやり方としては、
口の中を出来るだけ広くとり、「あ」から[t]に行く時に、なるべく早く舌を上あごにタッチして、腹式呼吸を使って息をたくさん流し続けてください。
おしゃべりするときの息の量ではまったく足りませんし、舌の動きが悪いと[t]の時間を多くとってしまうので切れて聴こえます。
 
子音は、舌のさばきと息で決まるといえます。
 
舌滑のトレーニング(簡単な筋力トレーニングをお教えしました)を日々行いながら、、息を流して母音でメロディがつながるように練習してください。それから、子音を入れても母音で歌ったときと同じようにメロディが聴こえるかよく確認してください。
 
回りくどいように思われるかもしれませんが、ここの部分を経過しないと、いつまでたっても中途半端です。合唱では、パートで数人がきちんと出来ていれば正しく聴こえるようになるので楽な面もありますが、個人のご成長を考えるとマイナスな部分もあります。ここのあたりが悩ましいところですね。
 
この日は、他に山田耕筰・増田順平作曲の「砂山」「この道」、佐藤眞作曲の「蔵王」より「雪むすめ」を歌いました。
 
22日の合唱祭は、新宿文化センター大ホールで、16時頃の出演予定です。
1曲目の「蔵王賛歌」が、前奏がなくていきなりハイテンションで出なくてはならないので、気持ちの盛り上げが大事です。ぜひ集中して高めてください。
思い出に残る良い演奏をしたいですね。

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