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「音を出すことは本当に恐怖」

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宮本文昭さん(1949年~)がますます素晴らしくなっています。
 
宮本さんは、元オーボエ奏者。
 
NHK朝の連続テレビ小説「あすか」のテーマ曲を演奏したり、CMでは、1989年、JT(日本たばこ産業)の「ピース・インターナショナル」のイメージキャラクターを務めたりしていたので記憶されている方も多いかと思います。また、様々なジャンルの演奏にもチャレンジされて、クラシック演奏家としては珍しいタイプの方です。
 
そんな宮本さんも、2007年にオーボエ奏者を引退。
そして今、指揮者として大活躍しています。
指揮法は、なんと、あの小澤征爾さん直伝なのです。
 
2012年2月28日日本経済新聞に宮本さんの記事が掲載されていましたので、ご紹介いたします。

     ・・・・・(以下引用)・・・・・
 
演奏家だったから分かることがある。「音を出すことは本当に恐怖。緊張感でいっぱい。だから音を出してくれただけで心から感謝できる。」君臨するのではなく、あくまで「みんなと一緒に音楽をつくるというスタンス」だ。
ケルン放送交響楽団などドイツの名門楽団を渡り歩いてきた。その目には、東京シティ・フィルの楽団員は不遇に映る。苦しい経済状況のなか、待遇は厳しい。「いい演奏をしてやろうという音楽家魂だけでやっている。」もっと良い環境にしてやりたいと思ったら、涙が出てきたという。
 
     ・・・・・(以上引用)・・・・・

「音を出すことは本当に恐怖」
 
これは本当によく分かります。
 
そこを理解してくれる指揮者だったら、どんなにか楽団員は救われるかと思います。
 
私がよくお仕事をご一緒していたY先生は、
「ホルンって音がひっくりかえりやすいのよ。でもね、ここでホルンがひっくりかえったのはボクのせいだ。良い指揮者だったら、ちゃんとミスさせないように振るんだよ」
と話しておられたのを思い出していました。
 
現場を経験されている。それも、オーケストラのメンバーとして。
これは指揮者として大変に大事なことだと思います。
 
これからの活躍が楽しみな指揮者です。

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