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ライフワークとしての学びを考えます。

ひたすら音をのばし続けることで音がよくなる

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いろいろな合唱団の稽古を見ていると、いきなり曲から練習し始めるところが結構あります。本当は、あまり良くないのですね。
 
これはスポーツでいうと、いきなり試合から始めるようなものです。
 
スポーツは怪我や故障を防ぐために、準備運動から始めますよね。
また、今のような寒い時期はなおさら念入りにストレッチなどを行うと思います。
歌も全く同じなのですね。
 
私がお勧めするのは、リップロールなどのロングトーンです。
「ロングトーン」とは同じ音を長く伸ばすことです。
「リップロール」とは、子供がよく口びるを「ブルブル」と震わせて遊んでいますが、それと同じです。
簡単でシンプルなものですから誰でも出来ます。
 
もちろん、リップロールだけがトレーニングの方法ではないので、他のやり方でも良いのです。例えば「タングトリル」という巻き舌で「rrrrr・・・」と長く伸ばすものや、「あ」の母音でもよいでしょう。
 
歌だけではなく、管楽器奏者もロングトーンをよく行っています。
永久に続くのではないかと思うほど、同じ音を何十分もずっと吹き続けています。
曲の練習にいつ入るのかと思うほどです。
 
ロングトーンを行うと、息が長く続くようになり、歌うときにしょっちゅうブレスをしなくてすむようになり、息切れしなくなります。
 
もう一ついいのは、「息が流れる」ようになることです。
 
私は「歌は息」だと思っています。
息が流れ出すと歌も上手になっていきます。
 
特に日本語は息の流れがあまり強くはないので、どうしても歌う時に息が流れず、音楽が停滞気味になってしまうのです。
息が流れれば、しゃべるときも流暢に話しているように聴こえてきます。
 
効果絶大なのは「1分間ロングトーン」です。
 
私はよく「mo~」で行います。
途中で息継ぎをしてもいいので、1分間伸ばし続けます。
これが意外に長い。
 
長く持たせるために、苦しくなってくると腹式呼吸を使わざる得なくなってきます。
普段、腹式呼吸を意識していない方でも、自然に使えるようになってきます。
 
音楽の流れが悪かったり、声が出ていないと思ったときは、この1分間ロングトーンを稽古の途中に入れてみると、その後歌ったときに音が変わっていますから試してみると良いと思います。
 
ロングトーンは、できれば2~3種類くらいを10分から20分くらいかけて行うと、1年たてばかなり音がよくなっています。
そして、長い年月やればやるほど差がついていくものですから、諦めずにやってみてください。
先日も、「3分間で声がよくなる方法を教えてください」とたずねられたことがあります。
もちろんやらないよりは良いのですが、歌の場合は少し時間がかかります。
 
ロングトーンはだれでも簡単にできる基本ですから、ぜひしっかり行っていただくことをお勧めします。

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