歌が上手になるための「あくび」
歌を歌うためにとても大事な筋肉があります。
それは「喉頭を引っ張る筋肉」です。
2011年11月26日合唱団コール・リバティストに東京混声合唱団のテノール歌手、秋島光一先生をお招きしての稽古を行いました。
この日の発声にて、「呼吸」と「喉頭を引っ張ること」について教えていただきました。
まず呼吸ですが、呼吸とお腹は必ず連動しています。
息が入ったらお腹はふくらみ、吐いたら引っ込む。そのとき、おへそのあたりを動かすように意識してください。
呼吸の練習方法をご紹介します。
「S」で3拍かけて息を吐き、1拍で驚いたような顔で息を吸います。
「スー(3拍)ハッ(1拍)」という感じです。
そのとき、3拍かけて少しずつ引っ込み、1拍でふくらむようにしてください。これを、メトロノーム60(1分間に60拍)くらいの4拍子で何度も繰り返します。
じつは、ほとんどの人がお腹を動かすことがあまり上手にできません。要は普段の生活で腹式呼吸をする必要性がないからですね。寝ているときは腹式呼吸はしているはずなので、皆さんできるはずなのですが、起きているときはなぜかできなくなってしまいます。ぜひ意識してお腹を動かして呼吸してみてください。
息を吸うとき、「ハッ」と口を開けることがとても大事です。
歌うときのブレスに相当しますので、声を出すときのポジションに最も近い形にもっていくのがベストです。
このとき注意していただきたいのが、口の開け方。
鏡でよく見てください。下の歯がむき出しになっていませんか?
基本的に舌のポジションは平にしてください。どこかが盛り上がっていると、口の中が狭くなってしまい、良い響きが得られません。
舌が平になっているということは、舌が伸びているということ。伸びている舌先は、下唇に当たっているのが理想です。舌が下唇に当たっていれば、下の歯がむき出しになることはありません。
また、上の歯は、個人差もありますが、少し見えていても大丈夫です。
下の歯がみえなくて、上の歯がちょっぴり見えていえうのが、口が一番大きく開いている状態です。
さて、上手に口を開けて息を吸うことを繰り返すと 「喉頭を引っ張るトレーニング」にもなります。
普段の生活では、なかなかここまで引っ張る筋肉を使うことはありませんから、筋肉を休めることも大事です。 「喉頭を引っ張る筋肉をストレッチ」してあげてください。休めながら筋肉の開発にもなります。
どうやったら、ストレッチできるのか?
それは、つばをごっくんと飲み込めばよいのです。
歌って疲れたら、お茶を一口のむ。飴をなめる。などの行為は、筋肉を休めるのにとても理にかなっているのですね。
それでは、皆さんは普段どれだけ歌を歌っているでしょうか?
「喉頭を引っ張る筋肉」は、普段ほとんど使われません。あえて言うなら、「あくび」でしょうか。「あくび」はちょっとした空き時間にもできますから、歌う時間の少ない人は、ぜひ実行してみてくださいね。
この日は他に、中田喜直作曲の「海の構図」より「海女礼賛」「かもめの歌」などを歌いました。
「かもめの歌」は初めてでしたので、まだ音とりの段階ですが、シンプルで美しい作品です。綺麗にハーモニーできるようになるといいですね。