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「悔しい気持ちをわすれない」 80名で合唱チームビルディング!

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2011年10月21日、ある会社において合唱チームビルディングを行ってまいりました。
 
人数は80人で、女声2部(ソプラノ、アルト)男声2部(テノール、バス)の混声合唱です。男女はちょうど半々くらいの人数で、とてもバランスが良かったと思います。
 
これだけの大人数での合唱研修は初めてでしたので、どういう響きになるのか?私の目が行き届くのか?皆さんがちゃんと歌えるのか?など、今回はかなりのチャレンジになると思いました。
 
作品は「ふるさと」混声版を使用したのですが、前回までヘ長調だったのを2度高いト長調に設定してみました。
それは、この研修を何度か行ってみて、女声の声が意外と高音まで出ることが分かったからです。皆さん才能のある方が多いのですよね、ちょっとアドバイスすると面白いようにスルスルと上達するのです。試してみることにしました。
 
部屋いっぱいにあふれんばかりの参加者が集まり、合唱体験研修スタートです。
 
合唱を始めてみて分かったのですが、人数が多いことで良いことがあります。声に迫力が出て、スケールが大きい演奏になることはもちろんなのですが、一度歌えるようになってしまうと、とても安定するのですね。支えあう人数が多いのは楽な面もあります。
 
女声は思ったとおりというか・・・想像以上でした。
 
声にツヤとパワーがあります。仕事でもエネルギッシュなのが想像できます。本当にお若い声で、目をつぶって聴いているとまるで高校生のようでした。
ただ、普段デスクワークが多いのでしょうか?息の流れがいまひとつだったので、実力が出し切れていません。
簡単なロングトーンと、腹式呼吸、そして横隔膜の使い方のコツを少しだけお教えしたら、みるみる声が変わっていくではありませんか。カンがよくて、理解力も早いです。
高音も、華やかに出るようになりました。これは期待できます。
 
男声は最初かなり遠慮していました。
「声なんて出しちゃっていいの?」という感じです。大人になると、いろいろなことを教育されて声をコントロールすることを自然と身につけてしまいます。それは社会生活ではよいことなのですが、歌ではちょっと物足りない。
ぜひとも「声を出すことは気持ちいい」ということを分かってもらわなくてはいけません。今持っている100%の声を引き出すには、まず「気持ちいい」。これです。
 
声の出し方をいろいろな角度から試していくうちに、だんだんほぐれてきました。「気持ちよさ」、しかも、「皆であわせて出す気持ちよさ」を覚えてもらえたようです。
部屋全体が振動するような声が何度か聴けました。男声が本気になってくれば、良い合唱ができます。
 
「ふるさと」という日本の抒情歌なのですが、70人が声の出し方を分かってきたようで、最後、全体の響きはオーケストラ付きオラトリオのようなスケールの大きい響きがしました。
ばっちりハモったときは鳥肌が立つようなハーモニーなのです。
 
ここの会社のすごいところは、歌だけではなく、「全員がポイントできちんと指揮を見ている」ことです。驚きました。
楽譜は当日お渡ししましたから、初見のはずです。指揮を見ている視線を感じたので、テンポを動かしてみると、ちゃんと70名が反応してくださいます。何年やっていても指揮を見れないことはよくあるので、これはすごいことです。
 
皆さんの気持ちが一つになって、合唱を作り上げる楽しさと難しさを体験していただけたかなと思いました。
 
最後、社長さんが「出来ないところがあって悔しかった。ぜひリベンジしたい。」「仕事で最近悔しい感情を忘れているような気がする。悔しいという感情思い出させてもらいました」とおっしゃってくださいました。そして、それに頷く社員の皆さん。
 
「悔しい」ほど真剣。「悔しい」ほど一生懸命。
 
何度演奏会をしても「ちょっと悔しい」という気持ちは永遠に続きます。
悔しくなるほど頑張ることの素晴らしさ。
 
この日は、「悔しい」という宝物を抱えて、家路につくことができました。
 
皆さん、素晴らしいハーモニーでした。
また良きハーモニーのお手伝いができればと思っています。
 
有り難うございました。

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