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ライフワークとしての学びを考えます。

「ちょっと我慢して破裂」したときに良い声がでる

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普段何気なくしゃべっている言葉。
 
そして、ほとんどの方が、普段のしゃべりそのままに歌っている場合を多く見かけます
しかし、少し気をつけるだけで良い発声に変わってきます。これは「気が付く」というレベルで大丈夫。
だったら、気が付かなくては損ですね!
 
プロは生まれ持って声がいいのだから上手いのだ。と思いがち。しかし、ちょっとしたコツともいうべきポイントを分かって歌っているのです。
このちょっとした差が歌ったときに大きく違います。
 
2011年9月24日合唱団コール・リバティストに、東京混声合唱団のテノール秋島先生をお招きしての練習をおこないました。
 
さて、そのコツとは。
 
それは「喉頭(こうとう)」です。
喉頭とは喉仏のこと。のどを触ると出っ張ったところがありますね?つばをゴクリと飲み込んだときに動きますから、試してみてください。
 
この喉頭をできるだけ下げていることが、良い声につながります。そのためには、「今、喉頭が下がっているな」と感覚的に分かることが大事。ポイントは舌です。私は「歌は舌を制するものが上手くなる」と思っています。
 
秋島先生の練習では、舌の動きのと連動しながら喉頭を下げるトレーニングを行いました。
 
① [t]の発音を行います。
 
「トッ」と言うつもりで、舌先を上顎につけながら息の圧をかけて息を止めます。「息が出ようとしても舌の先で止めて我慢している」という感覚です。それをちょっと我慢して、破裂させる。そうすると正しい[t]の発音ができます。そして舌がはずれると、喉頭はパッと下がります。ここが大事です。わざと上げておいたほうが、下がることを意識しやすいですよ。
 
舌が下がったところで、そのままのポジションで歌うと、eをひっくり返したような記号の発音「あいまい母音」が自然に発声できます。「ア」の口で「エ」と発音する感じですね。
あいまい母音は英語にすごく多いですね。、語尾の言葉はあいまい母音がほとんどです。

② [t]と発音して、喉頭が下がった状態であいまい母音を発声します。
 
③ あいまい母音から、「ア~」に持っていきます。
そうすると、喉頭が下がった状態を意識しながら、発声ができるのです。
 
[t]⇒あいまい母音⇒「ア~」
 
このような順番で、切れ目なくゆっくりと発声してみてくださいね。
 
これは、「子音を発音することで舌が下がり、喉頭も下がる」という仕組みを利用した有効な発声トレーニングです。
[t]のほかに、[d][z][r]でもトレーニンを行いました。
 
この日はブストのアカペラ曲「o magnum mysterium」「pater noster」、中田喜直の「都」より「若者たちよ」「都会」を練習しました。
 
アカペラはだいぶ音がとれるようになってきたように思えます。
日本語の曲は、歌詞の意味を理解できる面では優位なはずなのに、なかなか歌詞と音楽がつながりません。やはり表現力をやっていかなくては、とさらに感じました。
 
もちろん、表現しようという気持ちも大事ですが、声質の変化がつかないことが原因でもあります。喉頭を下げることと、柔らかい発声。これらが必要だな思いました。

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