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ライフワークとしての学びを考えます。

良い姿勢で歌うのは意味がある 腹筋運動はしなくても歌に必要な筋肉を鍛える 簡単なトレーニング

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歌うとき、しゃべるときの姿勢、どうなっているでしょう?
舞台に出てくる姿勢だけでその人が上手かどうか分かってしまうと言います。
 
姿勢の基本は良い息を使うためにあります。どうやったら良い息を使えるか追及すれば自ずと姿勢は決まってくるというわけです。逆に言うと、特殊な例を除いて「良い声が出る姿勢は決まっている」ともいえます。(プロのオペラ歌手ともなるとどんな姿勢でも歌えるようになります)
 
2011年9月10日合唱団コール・リバティストに東京混声合唱団のテノール秋島先生をお招きしての練習を行いました。
 
基本的に、良い息を送り込まなくては良い発声はできません。
そのために、あばら骨を持ち上げて肺が十分にふくらむことができるようにしてあげます。歌い手の姿勢が良く見えるのは、このあばら骨を持ち上げているからなのです。姿勢が悪く前かがみになっていては、肺の能力を最大限に生かすことができません。
 
世界的な一流のオペラ歌手ともなるとすごい肺活量も必要ですが、そうでなければ普段生活しているレベルの肺活量で十分です。もともと持っている肺活量を生かすようにすれば歌は上手に歌えます。そして、正しい発声を行っていれば、自然に肺活量も少しずつ増えていくことでしょう。
 
音楽的に便宜上「お腹に吸って」と言われますけれど、お腹に息は入りません。お腹は「使う」ものです。(ただし、胃には少し入るようですね)
基本的に「横隔膜」「斜腹筋」などと言われる場所を使いますが、普段の生活ではあまり意識していないところ。特に発声に重要な横隔膜は、インナーマッスルですので、通常の腹筋運動では鍛えることができません。
 
横隔膜や斜腹筋など発声のために使う場所を鍛えるには、ブレス(呼吸)トレーニングが一番です。
 
この日行ったブレス・トレーニングの簡単なやり方をご紹介します。
 
その前に姿勢を見直してください。
まず、あばら骨を十分に持ち上げる。そして、口を開けてください。口で吸うのが一番たくさん素早く入ります。
 
口を開けるとき、顔が動いて上を向いてしまうのはアゴの下のスペースが足りません。だからアゴを引くのはあまりお勧めしないのです。アゴは十分に下ろしてください。そのときアゴ関節に力が入っていませんか?アゴは真下に下ろすか、もともとアゴが引き気味の人は微妙に前に出す感じが丁度よいと思います。目線は少し上に向けるといいでしょう。そして舌は伸ばしてください。舌先が下唇に触れているように。

「ブレス・トレーニング」
 
1、姿勢を決める。あばら骨を持ち上げ、口を開けて、舌をのばして。
 
2、「ハッ」と驚いたように息を吸う。吸ったと同時にへそ下あたりのお腹が出るように。
 
3、「スーッ、スーッ、スーッ」と「s」の子音を言うつもりで、三回に分けて息を吐きます。三回とも同じ量で吐き切れるように調整して。同時にお腹も三段階に分けてへこんでいきます。
 
4、また口を開けて「ハッ!」と息を吸い込む。吸うというよりお腹を出して(戻して)息を引き込むように。
 
1~4を繰り返すことで、横隔膜などが鍛えられます。

簡単ですね。
インナーマッスルは、ブレスと歌い込みでしか鍛えられません。体育会系の腹筋運動は必要なしですよ。
 
この日は発声のほかに、中田喜直作曲の『都会』より「ふりむくな」「都会」、アカペラの曲、ブストの「O magnum mysterium」を歌いました。
やっぱりアカペラは声の良さと音程の厳しさが要求されるので難しいですね。楽器があると音をサポートしてくれるので少しは歌いやすいです。
 
今月のチャレンジテーマは「都会」を通しで歌えるように、です。いったんざっくり仕上げて新曲の練習をしたいですね。

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