1つの音を長時間のばすだけで上手になっている「ロングトーン」トレーニング
声楽や楽器はロングトーンの練習を行います。
ロングトーンとは一つの音を長く伸ばし続けるトレーニングです。
楽器の中でも特に管楽器の基本的なトレーニングにあげられます。
2011年9月3日合唱団コール・リバティストにマエストロをお招きしての稽古を行いました。
ブストのアカペラ曲「O magnum mysterium」で、ハーモニーの1分間ロングトーンをしました。
一つの和音を、全員で1分間伸ばし続けるのです。歌にとって1分間は結構長い時間です。そもそも1分間も息が続くわけがありません。合唱で行う「カンニングブレス」という息継ぎを行いながら伸ばします。カンニングブレスは、息が足りなくなったら他の人が吸わないところを選んで息を継いでいく方法です。そうすることで、全く途切れなく音が持続していくように聴こえる、という合唱独特の息継ぎの方法なんですね。
気をつけなくてはいけないのは、合唱の場合、人数がいればいるほど効果は少なくなります。他の人に頼ってしまって、一人一人が全力を出さなくなってしまうのです。
人数が多い場合は、息を節約せずに、できるだけ「自分の一番良いと思った音」を出すように気をつけましょう。
一回か二回行うと、一時的に全体の息の流れが良くなります。
ロングトーンは一人で行うのが最も効果的です。1分も続きませんから、息が切れるまでやってください。
裏声と地声、両方行うと良いでしょう。
注意すべき点をあげてみます。
・歌い始めから終わりまで息と音量が同じにする
・声が震えない。(録音して聞いてみましょう)
・思ったタイミングで音が出るように。
・腹式呼吸で行う
・ロングトーンとロングトーンの間に大きくブレス(息継ぎ)をとる。
・できるだけリラックスして行う
ロングトーンはそれだけで最低10分から20分はかかります。ボイストレーニングは、続けることで2年後、3年後に圧倒的な差がついてきますので、いったんやろうと思ったら気が向いたときやるというのではなく、続けてくださることをおすすめします。(詳しい様々な方法についてはまた別の記事で書いていくことにします。)
この日は他に中田喜直の合唱組曲「都会」より「ふりむくな」「若者たちよ」「子守唄」最終曲「都会」を行いました。
5曲通せるようになると、中田喜直が言いたかった「都会」のテーマが見えてくると思いますよ。