絶対音感がなくても難しいところを完璧に歌えるようにするトレーニング
何度歌ってもどうしても歌えない、音程をはずしてしまうパッセージがあります。
・高い音や低い音に頻繁にとんでいて音と音の間に幅があり、音程がつかみにくい。
・調性がはっきしなかったり、♯や♭の臨時的な記号が多用され、絶対音感がないと歌いにくい(または、絶対音感があっても歌いにくい)。
・たくさんの細かい音をスピード感を持って歌いこなさなければならないため、音がついていかない。または、頑張ってもはずれた音ばかりになってしまう。
・・・などです。
しかし、こういう箇所こそ、歌い手にとっては聴かせどころ。
要は、みんなが歌えないところを歌いこなすことでより感動してもらえるのです。
だから、「ここは難しい!」と思うところがあったら、他はそんなにやらなくてもいいからそこだけ取り出してさらってください。
しかし、取り出したはいいけれど、同じところを同じように何度歌っても、同じように間違えてしまう。
これでは、間違える練習をしているのと同じ。
ではどうすればいいのでしょうか?
その部分だけ、機械的なメカニックの練習をやってみましょう。
難しいパッセージではありませんが、例として「夏の思い出」の「夏が来れば思い出す」と歌う、ワンフレーズを取り上げてみることにしましょう。
以下の練習は必ずキーボードと一緒に行ってください。
1、「なつがくればおもいだす」これをまず母音だけにします。「あうあうえあおおいあう」となります。
2、ゆっくりのテンポで、それぞれの音を二回ずつ歌います。
「あ.あ.う.う.あ.あ.う.う.え.え.あ.あ.お.お.お.お.い.い.あ.あ.う.う」
そのとき、決して力を入れないで小さく軽く歌う。一音一音息を送りながら、声帯を小さく鳴らすようなイメージです。母音の前に軽く[h]が入るような感覚。
それが上手くいったら、母音三回もやってみます。「あ.あ.あ.う.う.う.・・・・」
3、母音二回を今度はスキップのリズムで。
「あっあ、うっう、・・・」
それが上手く出来たら、母音三回を「タッタカ、タッタカ」のリズムで。
「あっああ、うっうう・・・」
4、3が上手くできたら、母音唱法でテンポどおり歌ってみましょう
5、最後に、子音をつけて歌詞で滑らかに歌ってみます。
このトレーニングの特に2と3は、必ずキーボードで音を確認しながら行ってくださいね。
非音楽的かもしれませんが、このメカニック練習をすると、かなり正確にしかも楽に音程がとれるようになります。即効性もあります。
音楽的なニュアンスは、音程が正確にとれてからもう一度イマジネーションするとよいでしょう。音が楽にとれるので、音楽性に集中することができます。
音の高さと音の幅を体で覚えて、のどが素早く反応できるようにする訓練です。絶対音感がなくても音がとれるようになります。