良いチームとは? 顔が合うことで気持ちも音も合ってくる
普段の生活や仕事でも、しっかり人と向き合ってお互いの感情を深くやり取りすることはあまりないかもしれません。
合唱は人とハーモニーすることで音楽をするのですが、意外と隣人の声を知らなかったり、聴いていなかったりすることがあります。
私は、合唱はまずは同じパートの中で音作りをしなくてはならないと思っています。
「パート」とは、組織でいう「チーム」のようなものです。
オーケストラのパートでも、あんなにたくさんの楽器がまるで一つの楽器のように響いていますよね。合唱も同じです。ソプラノならソプラノ、アルトならアルトの声が、一人一人バラバラではなく、もし色々な声があったとして一つの声として聴こえてくることがよいアンサンブルにつながります。
そのためには、同じパートの隣人はどうしているのか?ということを知ることが必要です。パートの中でお互いの音を聴き合う、影響を与える、そして助け合うことが合唱のよさなのです。
しかし、合唱は横並びになって歌いますから、お互いが向き合うことはほとんどありません。声はまっすぐ前に飛びますから、横の声は思ったよりわかっていないのです。
私は、同じパートの中で円陣を組んで歌ってもらう練習をよく行います。
顔を合わせると、お互いの声がしっかり聴こえるし、アイコンタクトすることで微妙なタイミングも合って来ます。そうすると声がみるみるまとまってくるのです。
皆さんは、私があれこれ指導しなくても、自分たちでアンサンブルできる力をしっかり持っていらっしゃるのですよね。
ただ、慣れてなかったり自信がないと、向かい合うこと自体恥ずかしかったり、「私、声出していいのかしら~?」と思ってしまったりします。
さらにいつもは横並びで、顔を合わせて歌ったこともないので、アイコンタクトをとることにもなれていないませんから、伏し目がちになってしまう方も多い。
でも、不思議なのですが、顔が合うことで音も合ってくるのです!
もし間違ったとしても、それも含めて分からなければいいアンサンブルはできませんから、積極的に自分を出していってください。
合唱は、心のハーモニーとはちょっと違う。心でハーモニーするだけではなく「お互いが影響を与え合う」ことが大事だと考えます。
「おお~、今の○○さんの表現いいなあ。私もそれもらい!」
となるとパートの中がどんどん活性化し、生き生きと自然に良くなっていきます。
私が合唱が素晴らしいなあと思うのはコレです。
一人で練習しているのがなんだか寂しくてつまらなくなってしまう瞬間です。
室内楽をするときは、大事なところはプロでもアイコンタクトしながら演奏します。よいアンサンブルチームは特にそうです。
いつかバイオリンの人とデュオをやったときは、ピアノが間奏を弾いているときに、そばに寄ってきて弓を背中にくっつけながら音楽の呼吸を感じ取ろうとしている人もいました。
合唱で丸くなって歌う練習試してみることをおすすめします。
しっかりとお互いを聴いてくださいね。
そうすることで皆さんの、皆さんでしかできないハーモニーが響いてきますから。