日本のソーシャルメディアは「なんじゃこりゃあ!?」 #asacafestudy
2011年6月22日、第22回「朝カフェ次世代研究会」は、大手広告代理店勤務の永井隆太さん講演「ソーシャルメディアと三位一体論」を聴きに行ってまいりました。
本日は、講話から私なりに感じたことをご報告させていただければと思います。
ソーシャルメディアの特徴は、グローバルと日本とでは大きな違いがあります。
この特徴を分かって仕掛けていくことで、世の中を動かしてくのが広告のプロなのです。
グローバルなソーシャルメディアは「ローコンテキスト」、日本は「ハイコンテキスト」だと言います。
・ローコンテキスト 「一目で分かり、誰も反論できない、動画など身振り手振り」
・ハイコンテキスト 「わび・さび、粋、萌え」
ローコンテキストの代表はハリウッドです。
ハリウッド映画には一つのパターンがあります。
「主人公の成長+導師(スターウォーズのヨーダのような人)+究極の敵+最後旅は終わる」
・・・なるほど、分かりやすい。
このパターンを踏襲しないと、投資家がお金を出してくれないほどだとか。
逆に日本は、アニメ「エヴァンゲリオン」、最近でいうと「魔法少女まどかマギカ」(ニコ生動画で92万人が見ている)のような、ちょっと分からないところを共有するコンテキストで盛り上がる、ハイコンテキストの世界が主流。
一部のコアでアクティブな人が盛り上げて、世の中がいかにもそうなったかのように思える現象が起こる。
これを「ファシズムっぽい手法」と永井さんは言っていましたが、日本ではこのような仕掛け方ができるというわけです。
なぜ、グローバルと日本ではこのような違いがあるのか?これは日本独特の文化なのか?
この話から、私は戦国時代の「数寄」(すき)の世界を思い浮かべました。
一国の土地や城と茶器が同じ価値で取引される時代。
数寄が分かるかどうかで武人のインテリジェンスが判断されるのです。
山田芳裕さんの漫画「へうげもの」の主人公、茶人古田織部は、千利休の後、筆頭茶頭となり、茶の湯の新しい価値感を作り出していきます。
古田織部は、千利休のわび・さびをさらに「笑い」にまで昇華させた人。
まるで土偶のような「ひょうげた」器を作り、「うぎゃあ」とした形から笑いを表現していきました。
一見この器、分からない人からすれば「なんじゃこりゃあ?!」
織部は、茶室の中で、無骨な武将たちと「それがしの茶器がお分かりになるとは、お主、相当の数寄者よのう」とやりあう。そして、心が通じ、密談成立となる。
「オレ、分かる分かる!分かるよ!」「ク~ッ!この形がたまらないね!」
この「自分たちだけがわかりあえる」という日本人が昔からもっていた文化。
これが日本独特のハイコンテキストの世界なのです。
ハイコンテキストをどのように動かすか、が日本のソーシャルメディアでの勝負どころのようですね。