「大学教員は学生の卒業後に責任をとる必要がある」
「大学教員が卒業後というものに対して、責任をとっていく必要があるのではないか。」
昨日の記事で、就職が上手くいかなくて卒業後に専門学校に入り直す学生が多いことを書きました。そのような状況の中、これからの時代、大学側がとるべき姿を、東京大学の教授が述べていた言葉です。
2010年11月9日の日経に、洋画家の入江観さんが興味深いコラムを書いていたのでご紹介します。
入江さんが、美術大学勤務時代、かつて学んだフランス国立高等学校、通称ボザールへ概要調査のため訪れ、教務部長の女性と面談したときのことです。
・・・・(以下引用)・・・・
「卒業生の就職支援については、どのようになされていますか」という私の質問に彼女は飛び上がらんばかりに驚いて「学校が就職の世話をするのですか?」と聞き返してきた。(中略)
もし日本で、美術学校に限らず一般の大学で就職支援をしないところがあれば、志願者が激減することは間違いない。日本の現実では、そうした仕組みをなくすわけにはいかない。
しかし、職業の選択というものが、自分の生き方と密着して、自らの意志と自己責任において実現されるべきとの常識だけは忘れてはならないということである。
・・・・(以上引用・・・・
私が卒業した大学は、当時ほとんどの学生に対して、学校が就職支援をしてくれることなど、一切ありませんでした。
要は、
「もう武器の使い方は教えた。後は世の中に出てサバイバルしなさい。」
ということなのだと思います。
大学は全く責任は負わないのです。
13歳から、将来はピアノでやっていくことを決めていたので、卒業したときは、他の道など考えもしなかったのです。思い込んでいたともいえます。だから未だに、就職活動は一度もしたことがありません。
周囲の学生もほとんど同じ考えだったと思います。
しかし、卒業して社会に出て、様々な失敗と試行錯誤をすると、物事の真理に通じる道は一本ではないことに次第に気がつき始めるのです。
そこからが本当のスタートではないでしょうか。
私は、20歳そこそこで、全てを決めなくてもよいのではないかと思っています。
まだまだ可能性を試す時期なのです。自分の人生です。
大いに迷っていいんだよ、と言ってあげたいと思います。