ゆっくり走れば早くなる
ランニングブームですね。
私も、趣味で走っていた時期があり、走る楽しさはよく分かります。
亡くなってしまいましたが、名コーチと言われた佐々木功さんの著書「ゆっくり走れば早くなる」に出会ってからは、ピアノと違い、真面目にやれば必ずついてくる結果が面白くて、どんどん走りにはまっていきました。
気がつくと、レースに出れば地方の市民マラソン程度だったら入賞するまでになっていました。
一種の中毒のような状態で一日中走ってばかりになってしまい、これはダメだと或る時期から自粛するようになりましたが、しかし、あのときの楽しさは今でも思い出します。
佐々木さんの指導の基本はLSDというもの。
Long、Slow、Distance。
長時間、ゆっくり、距離を踏むのです。
なぜLSDが良いのでしょうか?
その理由は、眠った毛細血管を目覚めさせることで身体資源を開発することにあります。
抹消毛細血管の数を増やすのです。
人間の脳は普通全体の4割程度にしかつかわれていないといわれています。残りの6割は活動することなく一生を終わってしまうのです。抹消毛細血管にもこれと同じ状態があるのです。
トレーニングの効果を最大限に受け止められるような身体作りをしなければどんな練習も無意味になってしまいます。
そのゆっくりさとは、オリンピック出場選手が練習していても「歩いている人に抜かされちゃいました」というほど。
7つのポイントがあります。
1、正しいフォームをつくる
2、ゆっくり身体を動かすことで疲労回復をはかる積極的休養
3、走り終えた後の方が良い状態になる体調ビルドアップ的効果
4、グリコーゲンを枯渇状態にすることにより持久的能力を開発
5、スピード練習の効果アップ
6、自分との対話によるイメージトレーニング
7、リハビリテーションのためのLSD
私は、LSDを行っているとき、走りながら脈拍を測れるパルスグラフをつけて走っていました。
夢中になってしまうとついついゆっくり走っているつもりでも脈が上がっていることに気がつきません。そうなるとLSDではなくなってしまいます。常にゆったりとした脈で走り続けることが大事なのです。そうすると走ったあとの疲れがほとんどないんですよね。
走りは、楽しく、気持ちよく、早くなる、ですね。