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「出てくるだけで風がおこる」 風の又三郎のような作曲家

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日本の作曲家、高田三郎(1902年~2000年)の代表作、合唱組曲「水のいのち」を練習しています。
 
2011年1月16日合唱団コール・リバティストでマエストロをお招きしての稽古を行いました。
 
マエストロは高田三郎さんの指揮でこの曲を歌ったことがあるそうです。
 
「高田先生の指揮でこの曲を歌ったときすごくいい曲だなあと思いました。
他の指揮者でも歌ったことがありますが、高田先生のときほど素晴らしいと思ったことはありません。」
 
「曲の途中、シーンとしているとき、譜面を少しだけカサッと動かしたら、
"今っ・・・!動かしにならないでっ・・・!"
と厳しく指摘され驚きました。
雰囲気が変わってしまうから、ということなのでしょう。」
 
「高田先生との出会いは衝撃的でした。
神様みたいな人だった。
出てくるだけで風がおこる。
前に立つと、後ろに光が見える。
本当は見えないんでしょうけれど、そういう風に見えるんですね。
後光が差すとはこういうことをいうのでしょう。」
 
厳しい指導で有名で、女性でも関係なく、稽古中は手がでることがあったそうです。
 
「合唱はピアノだ」と言ってはばからず、ピアニストには特に高いレベルを要求したと聞きました。
 
そんな高田さんですが、意外なエピソードがあります。
宮沢賢治の「風の又三郎」の主人公と同じ名前なのです。
そういうご縁かどうか定かではありませんが、宮沢賢治の詩による歌曲も何曲か作曲しています。
 
「高田先生が現れると風がおこる」
 
もしかしたら、本当にあの物語の主人公だったのかもしれませんね。
 
そんなことを考えると、さらに曲のイマジネーションが広がりそうです。

奥様はまだご存命で今91歳。
高田留奈子さんは熱海の合唱団にて、元気に歌われているそうですよ。

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