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「女の愛と生涯」の通りになってしまった作曲家

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ピアノ曲の「トロイメライ」などで有名なドイツの作曲家シューマン。
 
好みの問題だと思うのですが、私はシューマンのピアノ曲があまり好きではありません。もともと若い頃ピアニスト志望だったシューマンは、無理な練習のやり過ぎから指を壊してしまい、ピアニストの道を断念しなくてはならなかった人。
 
そんなシューマンですが、歌曲はびっくりするほどロマンティックで素敵な曲をたくさん書いています。
歌曲になると、肩から力が抜けてシューマンの才能が自由に羽ばたいているのを感じるのです。
 
特に「女の愛と生涯」の素晴らしさ。
女の声でしか歌えない、女性が歌ってこそ説得力のある曲だと思います。
 
初めて愛する男性と出会った第一曲、その男性の素晴らしさを讃える第二曲、愛する人に見初められ、初々しい幸せを歌った第三曲、婚約指輪に語りかける第四曲、舞い上がるような気持ちで妹たちにウエディングドレスを着せてもらう第五曲、子供を授かった喜びを歌う第六曲、母親となった幸福を歌う第七曲、夫の死に絶望し、最後ピアノだけが第一曲を回想する第八曲・・・。
 
歌詞は文筆家で、軍人や探検隊長や動物園長などもしていた、活動家のシャミッソーの詩集によるものです。
不幸にしてシューマンは、この詩のように愛妻を残して16年後に自らの命を絶ってしまいます。
 
しかし、音楽は残り、今でも私たちに感動を与えてくれます。
歌の美しいメロディを濃密なピアノ伴奏が支える、シューマンの最高傑作だと思います。
 
大変難しい曲ですが、女流歌手でしたら必ず歌いたい憧れの曲ではないでしょうか。
ザルツブルグ帰りの伴奏ピアニストに、この曲を勉強していると言ったら「10年早いんじゃない?」と言われてしまいました。
 
今日は、その第2曲を聴いてみることにいたしましょう。

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