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「もう専門家はいらない」 これからの時代はスーパージェネラリストが必要だ

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2011年1月19日(水)、紀伊国屋サザンシアターにて行われた『未来の見える階段』出版記念トークイベント 田坂広志「知の未来」を語る、に行ってまいりました。
 
会場468席ほぼ満席で、元日本代表監督、岡田 武史さんやジャーナリストの野中ともよさんの姿もみられました。
 
ヘーゲルの弁証法のエッセンスなど、たくさんの素晴らしいお話しが聞けたのですが、特に印象に残ったことをご紹介したいと思います。
 
経済の話しになったときです。聞き手の藤沢久美さんより
「田坂さんは、経済の専門家ではないのに経済の未来を語っておられるのは・・・?」という問いがありました。
 
「専門家ではないから見えるものがある。
知の方向性は、専門性は持っているべきだけれど、それでけでは見えない世界に目を配れるかが勝負となる。」
 
また、「専門家は視野が狭くなってしまうという落とし穴がある」ともおっしゃっています。
 
田坂さんは、サンタフェ研究所のジョージ・コーワン氏に「次にどういう専門家が必要か?」とい問いました。それに対して、コーワン氏は
「もうこれ以上専門家はいらない。これからはスーパージェネラリストが必要だ」
と答えたといいます。
 
田坂さんは「スーパー」というところを強調されながら
「いろいろな分野を横につなぐような何かの力を持ったジェネラリストが必要なのです」と言っています。
 
専門家同士の会話において、「私はあなたの専門分野はよく分かりませんから」と相手の領域に踏み込まないということがままあります。
 
田坂さんは「知と知の分離」と表現していましたが、そこにはエゴという壁がたちはだかる。
 
しかし、これからの時代は問題解決のためにお互いの領域に踏み込んでいくことが必要なのです。
例えば、経済学者と物理学者が社会のあるべき姿を議論する。
 
以前、指揮者の小澤征爾さんと数学者の広中平祐さんが対談してい本を読んだことがありますが、ある領域に達した人たちだけが持つ専門性を越えたところでの共通する深い内容の話しが展開されていたのを覚えています。
 
「私は音楽のことはよく分からないから」と言わず、どんどん踏み込んでくる相手は話していて面白いですね。
知やインスピレーションが創発されるような心地よい感覚に満たされます。
 
明日は、講演会の後半、さらに深くなっていく田坂さんの知に対するメッセージをお届けしたいと思います。

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