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「からたちの花」 曲に感情を込めるには

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からたちの花ってみかけますか?
 
北原白秋の詩、山田耕筰作曲、増田順平編曲の「からたちの花」は、伴奏なしで人間の声だけで演奏するスタイルです。
伴奏に頼らずにテンポ・ルバート(拍子を自由に動かす)のテクニックが必要で、コーラスの力量が問われる曲。
こういう曲が感動的に演奏できるようになったら一人前だと思います。
 
12月12日合唱団コール・リバティストで、マエストロをお招きしての女声練習を行いました。
 
「からたちの花」は、「からたちの花がさいたよ 白い白い花が咲いたよ」「からたちのそばで泣いたよ みんなみんな優しかったよ」などと、歌詞が淡々としていますが、その後ろにある感情を表現しなければなりません。
 
マエストロは
「からたちの花が咲くのは春だね。春は別れの季節。優しかった友達のことを思い出しているんだね。」
とおっしゃいます。
 
文字だけを追うのではなく、その季節や情景、人などを思い浮かべると、より感情が込めやすいのです。
 
からたちはミカン科カラタチ属の落葉低木。
枝に鋭い棘があります。
春に葉が出る前に3-4センチほどの白い花が咲くのです。
 
昔は、鋭い刺があることから外敵の侵入を防ぐ目的で生垣に使われたようです。
しかし住宅事情の変化などから生垣はブロック塀などに置き換えられ、1960年代ころからからたちは減少しました。
 
どうりで見たことがないわけです。
花を見たこともないのに歌っているのも変ですね。
今でしたらば、お寺や古い庭園にあるかもしれませんね。
 
この日は他にルネサンス期の宗教曲、バードの「アヴェ・ヴェルム・コルプス」やジョスカン・デ・プレの「アヴェマリア」、ビクトリアの「アヴェマリア」、高田三郎の「水のいのち」などを練習しました。
 
ルネサンス期の古い時代の曲でも、その時代にとっては新しい曲。聴衆はとてもエキサイトしたそうです。
また、「水のいのち」は、日本の合唱曲ではすでに古典的ともいえる存在感のある曲です。輪廻転生を日本的な熱い思いで表現しています。
楽譜の裏にあるものを読み取って表現していけるようになるといいですね。

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