音大に入りたいのか?ピアノをやりたいのか?力が達していなくても音大を受験するには
中学生くらいで、音大に進みたいとい希望を持っている人に関しては、大まかに以下の方法が考えられると思います。
1、音大付属の音高を受験
2、高校は普通高校に進学し、音大を受験
3、ピアノには向いていないと判断した場合、他の楽器を専攻し、受験する
3のケース。
私はこれをやったことがありません。
しかし、ベテランの先生は、その子がピアノに向かないと分かると、他の楽器(クラリネットなどの管楽器が多い)や声楽を勧めるのを良く見てきました。ちなみに、受験前に他の楽器からピアノに変わってくるというケースはほとんどありません。
ピアノをやっているので、音楽的な基礎は出来ていますから、数年で受験レベルに達してしまう場合が多いように思います。
子供は素直ですし、特に頭の良い子は、親や先生のためにそれなりにやってしまうものです。
しかし、「ピアノでは受験が通らないから違う楽器」というのは将来を考えると難しいように思えます。
ただ、指揮者の場合、そもそも指揮科の受験自体が難しいため、コントラバスや管楽器を専攻し、オーケストラで演奏しながら、副科で一流の指揮者について勉強するというのはよくあるケース。
このように目的がはっきりしていればよいのですが、幼いころからあこがれていた音大に入学できないことが分かり、藁にでもすがる思いで、楽器を変えてしまう。
それがやりたかったことならば良いのですが、問題は、好きでもないことをさらにやってしまうことなのです。
違う楽器を持たせたら俄然興味を示し、みるみる上達した、という例もありますので、一回やってみる価値はあるかもしれません。
音楽はスポーツ選手のように引退がないので、卒業してからのほうが長いわけです。
特に管楽器は、オーケストラに就職しようと思ってもほんの数人しか必要ありませんし、仕事も少ないのが現実です。
生徒が音高や音大に進むときは、先生が、良い面も悪い面も含めて、全力で説明することが求められるのではないでしょうか。
「やっぱりやりたいことを頑張ればよかった」と思わないように。
音大に進学させることだけを目的に教えていないか?自分のために教えていないか?
指導者側も、常に自分に問い続けなくてはならないと思います。