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外国語の曲と比べて、日本語の曲は難しい その3つの理由

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声楽では、まずイタリア語とラテン語の曲から勉強し始めます。
その後、日本人なら日本語、ドイツ語、それからフランス語、それからやっと英語・・・というふうになります。
 
日本人ですから、日本語の曲の方が簡単に思えますが、かえって難しいのです。
 
それでは、なぜ日本語から始めないのか?なぜ難しいのか?
 
1、母音を言い直す技術がいる
 
これはドイツ語も同じです。
 
例えば「鞄は重たくありませんか」という文章の場合、「重たく」の「お」と「ありませんか」の「あ」に少しアタックをかけます。
「あ~」と来た後の「お」を言いなおさないと、言葉が識別できなくなるからです。
 
これをすると、当然息は一瞬止まります。
 
イタリア語やラテン語はそれがないのです。
歌は息と母音が大事で、常に、息は流して、母音は開けて、と訓練します。
止める作業は極力行いたくないのです。
 
歌い始めで日本語とドイツ語を練習しない理由はそこです。
 
2、シチヒキスツフク
 
日本語は、これらの言葉の母音を良く落として歌います。
 
全部に母音を入れてしまうとどうしても野暮ったい雰囲気になってしまうのです。
 
例えば「苦しく」。これは「くるSーく」と歌い、Sの部分は当然母音が落ち、音もありません。ケースバイケースですが、音が変化しているときはやったほうが良いと思います。

3、母音
 
イタリア語とラテン語の「イ」は絶対横に引っ張ってはいけません。必ず縦に入ります。 
ただし、日本語に限っては狭い「イ」で、しゃべっているときの「イ」を歌ってよいのです。
 
日本語は独特で、「イ」とか「エ」はすごく狭い母音。
特に「ウ」はかなり浅い母音を使います。
 
今までやってきた縦の母音を、少し狭く作り直さなくてはならないのです。
 
日本モノは母音の整理が必要なのですね。
 
最終的には、他の外国語と開け方は同じなのですが、要は使っている母音が違うということなのです。
 
日本人なのに、と思うのですが、歌にとっては意外と難しい日本語なのです。

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