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「ピアニストなんぞを女房にするものではない」 プロフェッショナルにとってこれから必要な力とは

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ピアニストはわりと独身率が高いように思います。
これは以前から不思議に感じていました。
 
そんな折、ピアニストの中村紘子さんの著書「ピアニストという蛮族がいる」に興味深いことが書かれていました。

     ・・・・・(以下引用)・・・・・
 
ピアノという楽器は一台で音楽をすべてまかなってしまうために、或る意味では大変に孤独な楽器であるといえよう。
(中略)
女性ピアニストというのも独特である。(中略)男性が改良・完成した楽器で男性が作曲した作品を演奏しなければならないのであるから。コンペティヴな過程においては、個性的であること、即ち他人とは違うことをすることを、子供の頃から絶えず意識させてられ強要される向きがある。
(中略)
性格的には勝気で負けん気で強情でしぶとくて、神経質で極めて自己中心的で気位が高くて恐ろしく攻撃的かつディフェンシヴで、そして肉体的には肩幅のしっかりした筋肉質でたくましい、というタイプになってしまう。
(中略)
男性ピアニストにも言えることだが、社会との健康的なつき合いが才能ある人間ほど少なくなってしまうため、一般の常識からみれば、どこかピントの狂った頓珍漢が多いのである。ゆめゆめピアニストなんぞを女房にするものではない。
 
     ・・・・・(以上引用)・・・・・

あたらずといえども遠からず・・・。
 
ピアノは特に、早期教育でどれだけのことをやったかにかかっています。
付属音高から音大と、周囲に優秀な人が多かったので特に感じるのですが、幼い頃から部屋にこもって一日6、7時間も練習していれば、社交的になれないのも仕方のないことなのかもしれませんね。
 
しかし、よっぽど10年に一人出るか出ないかのソリストでもない限り、一人では生きていけないのが現実の世界。
 
自分自身だって「私は大丈夫だ」と思っていても、やはり音大出。
周りからみたら、世間知らずなのではないかと思います。
稽古も大事ですが、出来る限り社会の人たちから学び、思考を広げていかなくてはなりません。
 
私たちは、プロフェッショナルとしての専門知識を世の中に生かし、人の役にたてていく義務があるのだと思っています。
そのためには、結婚するとかしないとかそういった問題以前に、これからの時代、「コミュニケーション力」が必要になってくるのではないでしょうか。

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