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響きで歌おうとしてはいけない ではどうするか? 目からウロコの発声講座

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合唱の指導を受けると、よく「響きで歌って」と言われませんか?
ホワ~ンとした綺麗な響き。
 
実はこれ、方向性が違うというお話です。
 
9月4日、私が指導を務める合唱団コール・リバティストに、テノール歌手の有銘先生をお招きしての練習を行いました。
 
私たちは「叫んではいけない」「喉を締めてはいけない」と考えすぎるあまり、「引いた声」で歌ってしまっています。
ある意味正しいのですが、これが悪い意味での「響きで歌って」しまう結果となっているのです。
 
これでは、声がピンポイントであたらないため、表現の焦点がボケてしまい、ホールでのお客さんには物足りない音楽になってしまいます。
つまり、声帯をきちんと鳴らすということが必要なのです。さて、そのためにはどうしたらよいか。
 
それでは、最初に「N~」のエクササイズをご紹介します。
 
唇を閉じて「ん?」と返事をした感じです。
その状態で、「N~、N~、N~」と何度か発声してみましょう。
女声はベロを出して上下の歯で噛んでください。このほうがベロによる刺激がなくて安定するためです。
 
これはミラノ・スカラ座の合唱団でも練習している方法です。
ドイツでは男声は「牛の鳴き声」とも言われているそうです。
 
上手く出来ましたか?
 
それでは「N~」で歌いながら「ドレミレド」と音程をつけていきましょう。半音ずつ上に移動していきます。
 
このとき注意する点は男声は重くならないこと。「モワー」とした響きがしないようにしてください。女声もベロの上を音が通っているイメージで。
また、最初の音をアタックすると喉が閉じてしまうので、気をつけましょう。
声帯がジリジリ鳴る音を感じてください。
 
もう一つは、「mya~」で「ドレミレド」を移動していきます。
 
「キレイに歌おう」と考えないで、地の声で行ってください。
響きを気にして、作りすぎの引いた声を使うと、だんだん鳴らない方向にいってしまいます。
 
出しにくい音域になると体が出そうとしますね。
この「出そうとする」という体の使い方を覚えることが必要。
 
よく、「楽に出して」と言いますが、これは最終的なゴール。
 
オペラ歌手を良く見ると、決して響きだけで歌っていません。楽に聴こえるわけではないですね。
破壊的になってはいけませんが、弱々しく歌ってもよくないということです。
 
もっと前に向かう方向に体がいくこと。出そうとする声帯の使い方を覚えることがまずは大事なのです。
 

*注意・・・発音には個人差があり、必ずしも全ての方にこの方法が当てはまるとは限らない事を付け加えておきます。

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