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ライフワークとしての学びを考えます。

その後の人生を左右する先生選び

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高校は音大付属から進学しました。
 
学校は7年間教育を主な方針としておりましたので、高校入学と同時に今まで手ほどきを受けた先生から変わって、音大の先生にレッスンを受けます。
特別な事情がない限りほとんど先生を変わることはなく、7年間指導を受けることになるのです。
この時期どの先生を選ぶかで、10代後半から20代前半が決まると思います。
 
どんな先生が良いのか?入学前はまだまだ中学生で判断できるはずもありません。
そのとき師事していた先生にご紹介いただきました。
 
決め手は「演奏家にお願いしましょう」でした。
 
「人前での演奏をしてこそ本当の勉強である」という考え方です。
 
リサイタルは、人間が行う一回限りの行為ですから、様々なことが起こるでしょう。
もしかしたら、弟子達の前で恥をかくかもしれません。
普段生徒に言っていることが、いざやってみたら自分では出来ない、ということもあると思います。
それが負担になり、残念ながら演奏活動をやめてしまった先生も多いのです。
 
そして、音大で指導をしながら、また家庭を持ちながら、自分の練習時間をとるのは大変なことです。
きっと何かを犠牲にしなければならないと思います。
リサイタルのための準備を行うことは強い意志が必要なのです。
 
マネージメント契約をし、一流のホールをおさえ、広告を出し、チケットを販売し、評論家を呼ぶ。
そうなればもう、病気になるか、震災でも起きない限り、途中で投げ出すことは出来ません。
 
「そのようなすべてを乗り越えている方にお願いしましょう。
先生からは、音楽だけではなく様々なことを学びなさい。演奏家は教えませんよ。」
 
「教えてくれなければ見て盗みなさい。先生が演奏会でどうしているか。言葉で伝えられないことを感じなさい。」
 
「1言われて10わかるように。よく観察して。頭を使って。洞察するのです。同じことを2度言わせたらだめですよ。」
 
「あなたにとって良い先生を選んだと思います。」
 
子供の頃から手ほどきを受けた最初の恩師が、高校入学前におっしゃってくださったことです。
今でもよく思い出します。
 
正しい選択をしたと思いました。
しかし、それに心底気がついたのは卒業してからでしたが・・・。
7年では足りなかったということです。
いまだにレッスンにうかがい、演奏会にうかがい、感動と大きな学びをいただいています。
 
一番汗をかいている人を自分の師匠として選ぶこと。
そこからしか学べないことがたくさんあることに気がつきました。

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