新製品は売れない そしてキャズムはいつ超えるのか 第5回朝カフェ次世代研究会より
今朝は「第5回朝カフェ次世代研究会」に参加してまいりました。
自己紹介では、「今、会社の役職でいうとどんな役職という気分ですか?」
というお題でした。
「代表取締役という気分です・・・・。」と思わず口走ってしまいました。経営者の方々たくさんいらっしゃる中でおはずかしい。朝6時半からテンションの高いスタートでした。
この日の講演は「顧客中心のマーケティングがどうあるべきか」です。
そして「なぜ売れないのか?」
世の中の新製品というものは、実は売れないのだそうです。
意外ですね。
作り手の方は、「これは売れる!」と思っていても売れない。
原因の本質は「売れないことだ!」と思いこみ、営業戦略増強に増強を重ねてもさらに売れない。
どうしてなのか考え、また最初の振り出し「原因の本質は売れないことだ」に戻ってしまう。
対症療法している間は、一時的によくなったとしてもまた元に戻ってしまうことってありますね。
例えば肩こり。
血行不良が原因と思ってマッサージに行っても、2~3日するとまた戻ってしまいます。
根本原因はデスクワークの多さ、姿勢の悪さ、運動不足だったりします。そこで、これらの根本原因を取り除く根本療法、例えば会社が終わったら運動する、などの行動をしないといつまでたっても良くなりませんね。
製品についても、これと同じことが言えるのだそうです。
それでは売れない根本とは?
『ばらばら』
『いけてない』
1979年に行った「省エネルック」と2005年の「クールビズ」を比較していました。
冷房温度を上げて省エネに貢献するという目的の省エネルックは、画像資料を見せてもらいましたが、スーツの上着を半そでにするだけの、あまり着てみたいと思わないビジュアル。
対するクールビズは、ネーミングを国民3200人から公募したり、当時の首相小泉純一郎さんに着てもらったり、名古屋万博でのファッションショーを行うなど、マーケティングミックスが上手に行われて、夏では当たり前のファッションとして定着しています。
また、顧客が新製品に対してどの程度関心があるか数字で表すと、「全く関心が無い」84%、「ほとんど関心が無い」13.5%、「ちょっと関心がある」2.5%だそうです。
新製品を売ることがいかに難しいか、を物語っています。
このちょっと関心がある2.5%のお客さんに行かなくてはいけません。
それでも、けんもほろろに断られることもあるそうです。
しかし、粘り強く売りにいき、新しい技術で自社の差別化をしようと考えるお客さんに恵まれると、それをきっかけに大きく売れ出すそうです。
新製品の例で、「さびないネジ」が、日本では何年かけても売れなかったので、アメリカまで売りに行き、そこで有名石油会社が採用し、そこで信用がついてヒットした例をあげていました。
これを『キャズム越え』というそうです。
根本原因を冷静に分析し、辛抱強くどこまで粘れるか、そこが分かれ目なのかもしれませんね。