小澤征爾さんから学ぶ 抜きん出ている人のどこが違うのか
皆、同じように努力しているのです。
しかし抜きん出ている人というのは必ずいらっしゃいます。一体どこが違うのか。
私が学生時代からお仕事を共にさせていただいた方で、音楽観に大きな影響を与えてくださった指揮の先生がいます。
合唱界の伝説のカリスマと言われ、今は隠遁生活に入られているようです。
あれほどの才能。
音楽界の大損失だと思います。
いつかは表舞台に出ていただきたいと思いますが、ご本人の強い意志ですから、もったいないですが仕方の無いことですね。
その先生が良く話してくださったことがあります。
「小澤征爾が出てきたときはすごかったなあ。
アメリカから帰ってきて、ストラヴィンスキーなんか振ると、管楽器がスパーンと合う。
カッコイイなあ、と思った。
あの指揮法は、齋藤先生(小澤征爾さんの母校、桐朋学園の創始者、齋藤秀雄氏)のやり方だ。
ボクも齋藤先生に習ってみたいと思ったよ。」
「齋藤先生が良くおっしゃっていたという言葉を聞いた。
『小澤征爾くらい耳のいい指揮者はいくらでもいる。
小澤征爾が何がすごいって、人並みはずれたここぞというところの爆発力。これが他の指揮者は絶対かなわない』火事場の馬鹿力が必要ってことなんだと思う」
「ボクはね、合唱団も、火事場の馬鹿力が必要だと思うわけ。
燃え上がる情熱がなけりゃ。
アマチュアってね、アマーレって愛するって言葉が語源なんだよ。」
その小澤征爾さんは、こちらの記事でも書きましたとおり、現在は、指揮活動をお休みなさっています。
経過も順調で、今は体力回復に努めていらっしゃるようです。
良かったですね。安心しました。
ただ、大規模ななオペラや、海外の移動はまだ体力的に難しいという主治医の判断で、今年のサイトウキネンのオペラ公演や、ウィーン・フィル公演は降板なさるそうです。
楽しみにしていたファンには残念ですが、ゆっくりと回復に専念していただきたいですね。
また、華やかでエネルギッシュな指揮姿を見られることを楽しみにしています。