オルタナティブ・ブログ > 大人の成長研究所 >

ライフワークとしての学びを考えます。

見えないものを見ようとする力

»

私が指導を務める合唱団コール・リバティスト2010/05/03練習日記です。
 
この日は、マエストロの小屋敷先生をお招きして、朝9時より女声のボイス&アンサンブルトレーニングを行いました。
 
トレーニングの最初の方で、お稽古の約束事を説明してくださいました。
 
「お稽古は自分で判断しないようにしてください。
教えていると『あ、違った!』とか言って勝手に止めてしまう人がいますが、これは指導者が判断することです。この時間は子供のようになって、言うことを聞いて下さい。そうでないと教えることはできないのですよ。」
 
華道でも茶道でも、お稽古はすべてそうですね。
まずこの基本が出来て、初めて素晴らしい学びの時間になるのだと思います。
 
さて、この日特に教えていただいたことは、「息」です。
声質とか発声とか、他にもいろいろとありますが、大切なのは息なのです。
息の流れを扱えるようになると歌は上手になると言われています。
 
息は、ふんだんに、贅沢に使います。
普段使っていない未開発の領域まで息を使います。これがなかなか難しいのです。
息が少ないと良い声も出ないのです。
 
先生は
「皆さん、ジャガイモ一袋いくらのを買う?」
と聞きました。
 
「ジャガイモ一袋が100万円だったらどうする?
人の財布だと使うけど、自分の財布だと使わないでしょ?
ロシアの大金持ちが財布を渡してくれて『好きなだけ使いなさい』と言ってくれたと思って使うんですよ。
自分の声帯だと思うと用心深くなるから、人の声帯だと思って、思い切り使うことです。」
 
「ボクはね、声を聴くとその人のおかずの数も分かるよ。
あと、部屋が散らかっている、とかね。
発声占いとかやったら面白いかもしれない。」
 
「音楽は贅沢なものですよ。
節約してちゃ、いい音楽はできないですよ。」
 
そして、息や声は、お金やモノのように見えるものではなく、見えないものです。
 
「私たちは、見えないものを作ろうとしているんだよ。
時代とともに、見えているものがどんどん豪華になっている。
文化も共に成長しているのだろうか?」
 
例えば徳を積むこと。
徳を積むことで直接お金が入ることはないかもしれません。しかし、それは必ず自分に返ってくるものだと思います。
 
見えないものを見ようとする、見えないものこそ大事に思う心が、本物への道なのかもしれないですね。

Comment(4)