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ライフワークとしての学びを考えます。

路上のソリスト

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「路上のソリスト」という映画を見ました。
 
主人公のナサニエルは、素晴らしい音楽の才能をもっていながら、ホームレス演奏家として路上生活をしています。
 
感受性が強いナサニエルは、ジュリアード音楽院に在学中、精神のバランスを崩してしまい、ごく普通の生活が出来なくなってしまったのです。
 
映画の中で特に印象に残ったのは、ナサニエルが、LA.タイムスの人気コラムニスト、ロペスとベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」のリハーサルを聴きにいくシーンです。
映画では、恍惚とした表情で敬愛するベートーヴェンの世界に入り込むナサニエルの精神世界を光と色彩で表現していました。
それは単なる鑑賞を超越し、心から音楽とシンクロする彼の音楽体感能力、とでもいうのでしょうか。
言葉や映像では表せないような、感覚的かつ音楽的な表現だったと思います。
 
映画の中でLAのホームレス支援センターが出てきますが、あまり環境の悪さに愕然としました。
 
ホームレスの中に大変多いのがイラクやアフガニスタンに出兵した元兵士だといいます。
アメリカではそういう方々が40万人いると聞きました。
戦場で経験したことを忘れるために麻薬やアルコールの中毒になったり、精神疾患を患い社会復帰できなくなるのだそうです。
 
つい最近、日本の都会ホームレスのうち、約3割が知的な障害のある方、4割以上が精神的疾患を患っている方と聞き、ショックを受けてしまいました。
このような方々が、どうしようもなく路上生活をしているのですね・・・。
 
ナサニエル役は、映画「Ray」でレイ・チャールズを演じていた俳優、ジェイミー・フォックスなんですね。
役そのものが乗り移ったような演技は相変わらずですが、体型も顔も雰囲気も別人のようで最初気はがつきませんでした。
しかし、「Ray」のときのピアノや、バイオリン、チェロをそれらしく弾くのには相当の努力がいったと思います。
まさに役者魂ですね。勉強熱心さには頭が下がる想いでした。

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