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ライフワークとしての学びを考えます。

出来ないものを出来るようにするほど才能を最大限に引き出す愛とは

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ピアノのお稽古というのは、幼いころから始めるのが良いとされています。
 
身体が柔らかいうちに、耳がまだ出来上がっていないうちに、覚えなくてはならないことがたくさんあり、やっておくのとやっておかないのとでは、大人になってから差が出てきます。
 
しかし、2歳から10歳くらいの子供というのは、遊びたい盛りですね。
そんな子供をどうやってピアノの前に座らせて練習させるか、というのは結構難しいものです。
そのころの自分だって、頭の中は遊びのことで一杯で、ピアノや勉強をいかにサボるかということしか考えていなかったので、その難しさは良く分かります。
 
ピアノのお稽古に来る子供たちで、コンクールに入賞したり音大に行くような子供というのは、ある共通点があります。
 
それは「お母さん」です。
 
その存在の大きさは、ピアノを習っている本人を凌ぐほどです。
上手な子のお母さんは、「00ちゃんのママ」と呼ばれて有名になります。
 
皆さん共通して素晴らしいお母さんばかりです。
いついかなるときでも子供のことを深く考え、盲目的なまでに愛情を注ぐ。
我が子の才能を信じて疑わない、世界一のファンなのです。
 
遊びたがっている子供の練習に全てつきそってあげて、ピアノが遊びのようにしてしまう手腕はすごいの一言です。
もちろんレッスンにもついてきて、先生の指示をお母さん専用の楽譜に書き込んで帰ります。
上手になるとお母さんが喜ぶのが嬉しいので、子供もどんどん頑張るのです。
皆さん、褒め上手、おだて上手。
しかし、かしこいお母さんはただ褒めるだけではありません。
この世で一番厳しい批評家でもあります。
褒めたあと、ぴしっと言うべきことは言うことが出来るかどうか。そこが大きな違いです。言った後「頑張ろうね」と子供と一緒になって学んでいかれます。
 
ピアノは一人で演奏するもの。
子供といえども演奏は孤独なのです
しかし、お母さんという応援団がついているから、子供は安心してピアノに向かえるのですね。
 
今では、大変素晴らしいピアニストになられたTさんのお母さんは有名でした。
Tさんが、コンクール小学校の部を受けるとき、
「もしこの子が第一位じゃなかったら、裸で審査員のいる2階席から飛び降ります!」
と、先生の前でおっしゃったとか。
子供の一位を心から確信しての言葉だったのだと思います。
結果、裸で飛び降りることはなく、周囲はほっと胸をなでおろしたのですが、その猛烈ぶりは今もって伝説となっています。
 
これがたまに「お父さん」の場合もありますが、親御さんの導きは不可欠だと思います
何も分からないうちから、とにかく早く始めて「10代のうちに何をするか」で決まってしまう世界なのです。
その時期に、出来ないものも出来るようにしてしまうほど、才能以上の才能を発揮させるほどの親の愛。
この愛を、いろいろな場で応用できれば、解決できることはたくさんあるように思いますが、やはり親子は特別な関係。他人では難しいのかもしれませんね。

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