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ライフワークとしての学びを考えます。

プロでなくとも完成度の高い演奏ができる 3つの方法

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音楽以外の仕事を持っている人が演奏する。
音楽を生業にしている人が演奏する。
 
しかしどちらも聴衆は同じ人間であり、同じ時間を使って聴いている。
 
私は、合唱だったらプロもアマチュアもない領域で、良い演奏が出来ると信じています
楽器は小さい頃からの訓練が絶対的に必要です。
しかし、合唱は一人一人がプロ並に上手でなくとも、稽古のやり方によっては聴衆を満足させる演奏が可能だと思います。
 
しかし時間は限られています。
どうやって良い演奏をするための指導を行うか。
 
私は、3つのポイントがあると思います。
 
1つめは、いつでもどこでも簡単にできるトレーニング方法をマスターすること。
 
すでに3つのエクササイズをご紹介していますが、これらはちょっとした時間に出来る方法です。
どんなに素晴らしいトレーニング方法を世界一流のオペラ歌手から習ったとして、それが1週間に一度しかできないトレーニングであったなら、意味がありません。
とにかく、やるかやらないか、なのです。
毎日ほんの少しでも、お風呂の中でも、駅まで歩く時間でも、オフィスの屋上でも、出来るトレーニングを続けること。
最後に上手になる人とはそういう人です。
 
2つめは、稽古での職人的作業が必要です。
 
プロは小さい頃から音楽的な積み重ねが違います。しかし、それでも地道な練習は絶対必要。1ヶ月練習しなかったら本番には立てません。
その地道な作業をいかに行うか。
うわべだけの通し稽古を100回繰りかえしても上達するのは難しいでしょう。
私は、大事だと思ったら4小節のフレーズを練習するために一時間かかったとしても良いと考えます。
そこに含まれる音楽的エッセンスを発声法も含めながら丁寧に練習していきます。一人一人が腹に落ちるまでやることです。
そうすることで、やっていない他の部分も良くなっていくのです。
一回の稽古で、1センチ進歩すれば良いと思います。それを一年繰り返したらすごい進歩になります。
「たくさん歌ったけど前回と何も変わらなかった」とならないようにすることが大事だと思っています。
 
3つめは、最初は下手でも良いので、愚直に同じ曲を何度も繰り返し演奏すること。
 
経験の少ない人でも、同じ曲を繰り返し演奏することでものすごい磨かれ方をします。
 
ザ・ビートルズは、アメリカ上陸前の下積み時代、なんとストリップ劇場で得意な曲を何度も繰り返し演奏した期間があったそうです。ジョン・レノンは「(お目当ては別の)お客さんに分かってもらおうと必死に演奏した」と後に語っています。
もちろん、これは極端な例だと思います。しかし、上手になるための本質はそこにあると思うのです。
新曲をたった一回発表会で歌ってハイ終わり、ではプロでも感動的な演奏をするのは難しいでしょう。
 
5月22日、私が指導を務める合唱団コール・リバティストの練習がありました。このような練習で準備して臨んだマエストロの小屋敷先生の稽古では、さらっておいたところは確実に良くなっているのが分かりました。指揮者の指導が入ることでさらに感動的な演奏に一歩近づいたと思います。
 
自分を表現し、そして聴衆が感動し、たくさんの人々に感謝される・・・その喜びを合唱をする多くの人々に味わってもらえるように、と願っています。

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