体が喜ぶお酒があるなんて 良貫さんと会う
先日の日曜日、都内フレンチレストランのパーティで、寺田本家の杜氏、藤波良貫さんとお会いました。
良貫さんは、名前の通りそのお姿も僧侶のよう。
蔵人になる前は、永平寺に6年、その後和歌山で住職をしていたという珍しい経歴の方なのです。
いつも穏やかにニコニコとされていますが、マイスター独特の存在感があります。
寺田本家の酒を初めて飲んだのは、二年前です。
同じくこちらのパーティで、良貫さんが持ってきた「しぼったまんま」をいただきました。
一口目で「あれ?日本酒?」
日本酒臭くないのです。素晴らしく美味しい。イメージが覆りました。
その後、「五人娘」をあけてもらい、独特の旨みと香りに感動。
味の深さは、そのときに出ていた白ワインにひけをとらないどころか、こちらの方が料理に合って、どんどんといけてしまうのです。
その後、寺田本家のお酒にはまり、他の種類も飲みたくなってしまいました。
少々体調が悪くても、飲むと元気になってしまう 「むすひ」。
ほどよい酸味、麹と糠の香りが個性的でクセになってしまう「香取」。
どぶろくの元祖、生もとの原型とも言われている「醍醐のしずく」。
特にお勧めは醍醐のしずくです。傑作だと思います。
しっかりとした果実味があり、米で作ったワインのよう。
食中はもちろん、食後のデザート酒としてゆっくりとした時間を慈しむ酒としても。
酒瓶についている説明書には、
「天然の乳酸菌と酵母菌を採りこむ自然の力を利用・・・
普通の純米酒に比べ、数倍以上の有用菌、有機酸、アミノ酸が豊富で健康維持としてもご愛飲ください。」
とあります。
飲むとなぜかお腹の調子が良くなるのです。
体が喜ぶお酒・・・。こんなお酒があったのですね。
良貫さんは、これらのお酒をお燗するといいよ、と教えてくれました。
温めることで、また違った美味しさが出てくるそうです。
「むすひのお燗をちょっと臭いヤギのチーズなんかに合わせると最高」。
良貫さんの信条は「真面目に生きる」。本当の自分と向き合い、自分は何を求めているのか、常に問うているのだそうです。
「酒造りは、一生の修行。けれど決して辛くはない。むしろ楽しいのです」とおっしゃっています。
私が「これからもずっと美味しいお酒を造り続けてください」と言いましたら、真剣な表情で姿勢を正して「はいっ」とお答えになられた姿が印象的でした。
薄暗かったせいか、一緒のお写真があまりよく撮れていなくてごめんなさい。
代わりに醍醐のしずくをご覧ください。
★2010.4.19訂正
・「藤波良寛さん」→「藤波良貫さん」
・醍醐のしずく説明で「有用菌、有機菌」→「有用菌、有機酸」
上記2点訂正させていただきました。失礼致しました。