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どんな時代の音楽も現代音楽

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私が指導を務める、合唱団コール・リバティスト4/17の練習日記。
この日18時からはマエストロの小屋敷先生をお招きしての稽古でした。
 
ルネサンス時代の作曲家、ビクトリア(1548年~1611年)の「マリアよおそれるな」というアカペラ宗教曲を練習しています。
 
先生は「ワクワク感がほしいね」とおっしゃいます。
 
ご存知の通り、ルネサンス時代の宗教曲といえば、ヨーロッパの教会で歌われている音楽です。
旅行で教会を訪れたとき聖歌隊が歌っていた、あの音楽。
静かでおとなしいイメージを持たれる方が多いのでは、と思います。
 
しかし、この時代にとって最新で最先端を行く音楽であったのです。
現代では、ジャズ、ロック、ヘビー・メタル、などいろいろな音楽がありますが、当時の人々にとってはこれだけです。
 
ビクトリアの次に現れたモンテベルディ(1567年~1643年)などは、歌にあわせて楽器を使いました。
当時の人々はものすごく興奮したといいます。
 
作曲家は、聴衆に感動を与えるために作曲しています。
例えば、モーツァルトのオペラや交響曲は、その時代のウィーンの聴衆にとって一番最新の「現代音楽」であったわけです。
 
ミロシュ・フォアマン監督の映画「アマデウス」の中で、皇帝ヨーゼフ2世が「モーツァルト、君の音楽は音が多すぎる」と言い、新しさゆえになかなか理解されない場面がありましたね。
 
また、バーナード・ローズ監督の「不滅の恋/ベートーヴェン」の中で、ベートーヴェン初期の作品「悲愴」ソナタを演奏している場面で、あまりの新しさ、激しさに貴婦人が興奮して気を失いかけている場面もありました。
 
X JAPAN のコンサートで、ファンが気を失うのとほとんど変わりありません。
 
たくさんの音楽があふれ、常に最新流行の音楽が流れる現代人にとって、難しいことかもしれんませんが、常に新しい気持ちで演奏することが大切なのです。
けっして古臭い音楽ではないのですね。
 
作曲家の感動をより多く感じ、表現しようとするならば、曲の歴史的背景、その時代の人々の生活、音楽スタイルなど、勉強し理解しなければなりません。
それが演奏をより新鮮な感動に導くのだと思います。

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