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10分面接を行う3つの理由

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私が代表と指導両方を務める合唱団で、昨年11月~12月に10分面接を行いました。
全員合わせると48名。一人ずつと向かい合って話しをします。
 
行った理由は3つあります。
 
1、個別だと意見を言いやすい
 
団では、定期演奏会後と、その約半年後に総会を行っています。
以前は総会前に、役員と団員希望者が集まってディスカッションを行う時間を作っていました。
しかし、せっかくセットしてもその場に集まるメンバーが全体の3分の1ほど。
また、来たとしても「皆の前ではなかなか意見を言えない」という人も多いようでした。 
実際、個別でお話しすると、本来は良く考えていて、いろいろと闊達に意見を述べてくれるのです。
日本人は、全体の中だと、周りの空気を読んでしまって意見を主張するのは苦手、と聞いたことがあります。
 
2、一人一人のコンサルテーション
 
団員が50名近くになり、一人一人が技術的なことや音楽的なことで、どのような問題を抱えているのか、見えにくくなりました。
立ち上げ時の10名弱から20名までは、個人レッスンレベルでだいたい把握できていましたが、20名を超えるとデリケートな部分までは難しくなります。
 
例えば、伸び悩んでいる人の場合、家でどのような練習をしているか?土曜日だけ歌っているのか?歌を練習しにくい環境に住んでいるのか?それとも、発声が間違った方向に行ってしまっているのか?など、聞いてみないと分からないことも多いのです。
 
一人一人問題点も違いますので、個人コンサルテーションが必要だと考えます。
 
3、音楽はどこに向かっているのか
 
団の音楽的方針、指導方針、そして10年後団はどこに向かっているのか?については総会でもお話ししています。
しかし、全員が同じように腹に落ちているとは限りません。
それぞれの疑問に合わせて説明することが必要だと思いました。
 
合唱は何十人いたとしても、指揮者のもと、一人のピアニストがピアノを弾くように演奏しなくてはなりません。
個人個人が違うことを考えながら歌っていては、音楽として完成しないのです。
ブラジル・サッカーのように、華やかな個人技を駆使して勝利できるような感じとはちょっと違うかもしれません。
どちらかというとムカデ競争に近いような気がします。
 
音楽の方針を理解して続けていただくことが、音楽のためにも、本人のためにも大事なことだと考えています。
 
以上3つの理由から10分面接を行っています。
 
実際行ってみて、とても良い結果が得られました。
お話しを聞くことで、アイデアが出てくることもありますし、今後の指導内容も見なおすことができます。そして皆が納得して練習できるようになったことが最も良かったことです。
 
演奏会を控えていると10分の時間も貴重ですが、真剣に向き合うことは価値のあることです。
ぜひ続けていきたいと思っています。

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