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音楽の変遷にも経済が関係している話

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私が指導と務めている合唱団コール・リバティスト2010年3月13日の練習日記です。
 
本日は秋島先生のご指導でした。
秋島先生は、日本最高峰といわれている、東京混声合唱団の現役テノールで、合唱指揮者でもあられる方です。
 
今日はルネッサンス音楽、ヴィクトリア(1548~1611年)作曲の「マリアよ 畏れるな」を練習しました。
 
ルネッサンス音楽は、ヨーロッパ15世紀から16世紀にかけての音楽のことを言います。
 
ちなみに、皆さんがよくご存知のモーツァルトやベートーヴェンは古典派音楽で、1730~1810年にかけての音楽です。
ルネッサンスはそれより200年も古い音楽なのですね。
 
秋島先生は教会のお家にお生まれになり、幼い頃から宗教音楽が共にあった、宗教音楽の大家です。
今日は、ルネッサンス音楽の特徴について説明がありました。
 
「ルネッサンス時代の音楽には、主旋律と伴奏という形態がありません。
ソプラノも、アルトも、テノールも、バスも、全部が同格の主旋律です。
今は、いろんな事情がありまして、一番上のパートに主旋律が来るのが常識。
ルネッサンスでは、そういうことがなくて、皆が主旋律であったわけです。」
 
「ルネッサンス音楽を歌うときに気をつけなくてはならないこと。
それは、新しいフレーズが自分から出るところは意識して常にはっきりと出なくてはいけません。
なぜかと言いますと、皆が主旋律で全体が絡み合っている構成になっていますから、はっきり歌わないと旋律の頭がどこか分からなくて、全体が団子のようになってしまうのです。」

「ルネッサンスより後の時代、ソプラノが主役になっていくのですが、その理由というのは、演奏する場が広くなってきたことが大きいのです。」
 
「ルネッサンス時代の音楽の目的は、
一つは、教会で神のために音楽をする。
二つめは、世俗的に楽しみで歌う。例えば、家庭でご飯のあとテーブルを囲んで歌うなどです。
この二つしかありませんでした。」
 
「その後、音楽家といって、音楽を職業とする人たちが出てきました。
職業ですから、食うために働かなくてはならない。
生活のためには、たくさんのお客さんに来てもらわないと稼げない。
10人や20人を相手に5,000円ずつもらっていてもだめなわけです。」
 
「パトロンである貴族の館といってもぜいぜい20人~30人です。
100人、500人、1000人のホールでやらなくてはならない。
そうすると、当然演奏する場が広くなり、より良く聴こえるために、大きな音、高い音が必要となってきました。
そのため合唱では圧倒的にソプラノが主旋律、オーケストラでは圧倒的に第一バイオリンが主旋律なのです。」
 
「現状はこのようになっておりまして、難しいことを言うと、音楽にも経済とのかねあい、みたいなことがあるわけですね。」
 
「そして、ソプラノが女王になっていった、という歴史があります。
でもこの曲はそうではないのですよ。皆さん同じ価値。(ソプラノ以外のパートを見ながら)皆さん分かりますね?ねっ?」
 
「どこも同じではないと思いますが、大抵はパートによって特徴があるようで、ソプラノはどこの合唱団でも存在感があり、ちょっと気の強い人が多いですネ。
アルトは、人のいい穏やかな人。少しおっとりしていますかね。
テノールは、なんと言うか・・・自称『王子様』。『ボクってネ~』という感じ。
バスは・・・ううむ、つかみどころのない人が多いですね・・・。」
 
思い当たるフシがあったかどうか分かりませんが、皆さん大喜びでした。
 
ルネッサンスの合唱曲は、合唱人にとってある意味目標となる究極の音楽と言われています。
大きなチャレンジになるのではないでしょうか。

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