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なぜ女性の寿司職人が少ないのか

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近頃、フレンチやイタリアン、スィーツに至るまで、女性の料理人をちらほらと見るようになりました。
 
しかし、寿司だけは女性をみかけたことがありません。
探せばどこかで握ってらっしゃる方もいるのでしょうけれど、聞いた事も見た事もないのです。
 
以前、お寿司屋さんに行ったとき、どうして寿司職人は女性がいないのか、板前さんに尋ねたことがあります。
 
「この頃はいないこともないですよ。
でも本当に少ないですね。
残念ながら女性だと最初からダメ、みたいな昔からのしきたりが厳しい世界なんです」
 
「早朝の仕入れから夜遅くまでの仕事で、重労働。
女性だと体力がもたないのでは、ということで弟子入りを断られることが多いのです。
もし弟子入りしたとしても、男の中で孤立してしまうのですね。最初は握らせてもらえませんし、見習いは力仕事と雑用ばかりで、辛抱が続かないんです」
 
「ただ技術を学べばいいというのではなく、修行年数で序列が変わって、後輩を育てなければ独立できないのです。一人前になるまで10年はかかります。そこで初めて暖簾わけとなります」
 
「食材の調達も大事で、寿司屋なら、良い仲卸との関係を作ること。これにつきます。
彼等は職人を見るので、まぐろなんかの本当にいいところは普通はなかなか売ってくれませんよ。これも女性だと不利かもしれません。」
 
昔からの伝統を守り続けている世界なのですね。
 
やる気はあっても、女性だからと門前払いでは、スタートからハンディがあります。
 
独立までに10年かかるとして、もし高校を出て弟子入りしたら29歳です。
女性だったらその間に結婚や出産、子育てがあって、どうしても休まなければならない事態もありえます。
その間、代わりに修行してくれる人がいるわけではないですから、さらに続けるのは難しいかもしれません。
 
個人的な考察ですが、女性でいくら料理が好きで「ケーキ屋さんになりたい」と思う人がいても、「将来お寿司屋さんになりたい」と言うような人の数は絶対的に少ないのではないでしょうか?

お寿司屋さんは男の人のするもの、というイメージが世の中で定着してしまっていて、「女性のお寿司屋さん」というのはなかなか想像しにくいと思います。
 
かっこいい女性寿司職人の漫画でも大流行すれば、変わってくるかもしれませんね。
 
ただ、この頃は、弟子入りしなくても、料理学校で技術を勉強できる環境が整っています
流通の発達で全国から食材の調達もしやすくなりましたし、調理器具も良いものが出ているので、体力をカバーしてくれると思います。
もしかしたら、これからは少しずつ女性の寿司職人も増えてくるのではないでしょうか
 
女性の柔らかい手で握るたおやかな寿司も食べてみたいものですね。

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