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ライフワークとしての学びを考えます。

発音の違いが説得力の違いを生む

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この頃、日本人の日本語の発音に変化が感じられます。

ピアノの生徒が「チカ先生」ではなく「トゥィカ先生」という発音をする子が多いことは以前から気がついていました。

最近のアイドルや歌手、若い役者さんも、以前とはちょっと違うように思います。

合唱団の指導を始めてからは、さらに確信を強めました。

例としては、

上記のように
・[ti]が[tui]になってしまう場合。

「テレビ」が「テデビ」または「テエビ」、「あれ?」が「あで?」となってしまうように、
・[r]や[L]の発音が不得意な場合。

「ナガイ」が「ナアイ」となる
・[ng]が不得意な場合

などがあります。

子どものうちはこういうしゃべり方はごく普通ですし、タレントや有名人に見られる個性的な話し方、または江戸っ子のように地域による言語文化もありますので、全てがスタンダードにいかなくてもいいと思います。

しかし歌の場合においては、これらのしゃべり方を訓練をしていく必要があります。
旋律も大事ですが、他の器楽と圧倒的な違いは、言葉で表現するものだからです。

[r]や[L]はもともと日本人はあまり得意ではないと言われていますが、特に外国歌曲において[r]の巻き舌や、[L]の発音が出来ないのはとても不利です。

そしてもう一つ、発音の違いはダイレクトに発声にも影響します。
口の中を広く保ち、舌が思い通りにコントロール出来て、初めてベルカントな良く響く深い発声が可能なのです。

原因は様々な仮説があり、

・柔らかい食事が多くなり、あまり噛まなくなったせいで、舌の機能が発達せず、アゴが弱ってしまいたるんでいる。

・現代人はアゴが細く小さいことから口の容積が狭い。

・住宅環境や生活環境の変化で大きな声で話したり笑ったりすることがあまりないため口の動きが小さくなってしまう。

などがあげられます。

また,子どもの頃歯の矯正を行ったとき、矯正器具が舌にひっかかり、しゃべり方にクセがついてしまった方もいるようです。

そういえば、イタリア人はほぼ全員巻き舌が出来るそうです。
しかし最近はたまに巻き舌が出来ない方がいらっしゃると聞きましたが、食の影響でしょうか?

歌だけでなく、講演などで滑舌が良いのは気持ちいいものですし、何より説得力が何倍も違います。
せっかく素晴らしい内容でも、声がこもってしまったり、たどたどしかったりして伝わらなかったらもったいないですね。

合唱団に入団した男声団員が、「声が通るようになって、英語の[r]や[L]も発音しやすくなり、仕事でのプレゼンに自信がついた」と言っていました。

これからのビジネスマンにとって、発音や話し方をマスターすることも大切なことなのですね。

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