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ライフワークとしての学びを考えます。

音楽の場合、共演者との恋愛はありえるのか

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バンクーバー・オリンピックが開催されています。
特に、この世で一番美しいスポーツ、フィギアは冬季オリンピックの華ですね。

忘れられないアイスダンスの選手がいます。

ロシア出身のフィギア選手、マリナ・アニシナ。
2002年ソルトレイクシティ・オリンピックの金メダリスト。
赤毛のロングヘアーで、芸術的な表現と男性をリフトする力強い技を持ち合わせた演技は、時を忘れて魅了されました。

さらにソルトレイクシティをドラマティックに盛り上げたのは、彼女にとって最大のライバルである、イリーナ・ロバチェワ&アルベルブフの存在でした。

かつてのパートナー、アルベルブフがイリーナ・ロバチェワを愛してしまい、アニシナとのカップルを解消してしまうのです。
アニシナは東西奔走し、フランス人のペーゼラーとカップルを再結成したあと、フランス国籍を取得します。

ソルトレイクシティでは、両カップルとも決勝戦に残り、最後はアニシナ&ペーゼラー組が、ロバチェワ&アルベルブフ組をおさえ金メダルを獲得するという、映画や小説の世界のようなクライマックスで終わるのです。

決勝での演技、最後疲れの見えたペーゼラーを気合で盛り立てたアニシナに、女の意地を見たのは私だけではなかったと思います。

アイスダンスは練習に時間がかるし、同じパートナーとずっと組むので、一緒にいる時間も長く、男女の愛をテーマとする心の部分までデリケートに描ききる振り付けを必要とするため、全てにおいてぴったりと息をあわせていかなくてはなりません。
のめり込んでしまうと、現実に恋愛感情が芽生えてもおかしくない状況にあると思います。
確かにアイスダンスは、夫婦、恋人などのカップルが多いのもうなずけます。

さて、音楽の場合はどうなのでしょうか?

女流ピアニスト、マルタ・アルゲリッチのように、ロストロポーヴィッチ、シャルル・デュトワなどなど、共演するたびに結婚し、3人のお嬢さんは全員お父さんが違う、という珍しい例もありますが、一般的には思ったより少ないように思います。

共演していても、伴奏の場合ピアニストは相手を立てることに始終しますので、どちらかというと辛抱する場面が多いのです。
また、極端に音楽的な相性が合わない場合はかえって仲が悪くなってしまうこともあります。

ソロ演奏に比べると、アンサンブルは孤独からは開放されますが、相手に特別な感情がわくことはほとんどないように思います。

それはもしかしたら音楽が精神的で抽象的な芸術だからなのかもしれません。

ちなみに、その後のイリーナ・ロバチェワとアルベルブフ、2007年に離婚してしまったそうで、男女の愛とは分からないものですね。

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