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ライフワークとしての学びを考えます。

私流忙しい人との仕事術 5つの心がけ

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指揮者というのは大変忙しい方が多く、多忙が当たり前な仕事です。

忙しい理由として、まずは勉強時間が膨大にかかる、ということです。
オーケストラのスコアは音の数が多く、また、オペラの仕事になると、そこにイタリア語、フランス語、英語、ドイツ語などなど、様々な国の言語を扱います。

また、仕事をかけ持ちしていることが多く、地方も含む数々の演奏会、お弟子さんのレッスン、オーケストラのリハーサル、オペラの稽古、演出家との打ち合わせ、合唱団の練習、音大での指導・・・・。
一日のうちに各地移動しながら仕事をすることもよくあり、お昼に北海道にいたかと思うと夕方には九州だったりと、音楽界のターミネーターなどと言われている方もいらっしゃいます。

音楽マネージャーさんと打ち合わせをしたときに、どうしたらこのような忙しい方にこちらの用件を上手く伝え、さらにいい仕事が出来るのか、聞いてみました。

「忙しい人と仕事するときってだいたい案件たまってるから、気持ちはわかるんだけど顔合わしたとたん、一気に、あれもどうですかー、これもどうですかー、とたたみかけてしまいがちなんですね。でもぐっとおさえて『この前のあれ、ひどかったですねえ~』などと関係ない話から入ると向こうものってきますよ。のってきた間合いをとって『・・・で、あれ、どうしましょう?』などと肝心の用件を小出しにサッとはさみこむんです。」

「あとシチュエーションも大事。
有名演出家とオペラの仕事したとき、芸術家気質の方だったので、演技の方針とか最初はごりごり事務的に話してたら嫌われて・・・。それから話をもっていくまで考えました。
僕もその演出家もタバコ吸うから、稽古の休憩で『どうです?(タバコを吸う仕草)』と喫煙所に誘い出す。喫煙室ってだいたい隔離されてるから、他の関係者も来ないし、集中して大事な話ができて、リラックスしながらいいアイデアも出てきます。タバコも使いようですね。」

「ただ、すぐに事務的な話に入って大丈夫な人もいるからそれは人を見て、ですね。」

「指揮者さんは、いろんな仕事抱えてるから、一つ仕事が終わると次に完全に切り替えるパターン。前もってメールしておいても覚えていないことが多いので、どうしてものときはかえって電話の方がいいですよ。できれば、仕事場にきたときに話せるように優先順位も決めて準備しておくといいですね。『コレは次でも大丈夫』とか決めてあれば、その日に全部話せないこともあっていいと思いますよ。無理しないように気をつけますね。」

私はそれから、5つのことを心がけるようにしました。

一つ目は、メールのタイミングに気をつけるようになりました。
仕事日から何日か前でもいいものと、前日または当日朝の方がいいものと分けて考えます。

二つ目は、場がなごむちょっとした小話も用意するようにしました。
というのは、状況によって慌ててしまったりすると、しなくてもいい話を無理にしてしまい不自然なので、無難な小話レパートリーは常時数種類持っているようにしています。

三つ目なのですが、最初にも書いたとおり、指揮者は勉強や仕事のためにすぐに帰ってしまう方が多く、じっくりお酒でも飲みながら・・・・というパターンはほとんど無いと思っておいたほうがいいので、仕事場を出るまでが貴重な時間です。

なので、基本、エレベーターの中で話せる長さの内容をいつも考えています。
ブロガーの大木さん による御著書「ソフトバンク流超速断の仕事術」で、忙しい孫社長に対するプレゼンのお話しは感動しました。

四つ目は、趣味や好きな食べ物飲み物をおさえること。
差し入れなどに嫌いなものを選ばないように。
打ち合わせも、可能な限り良い空間で、出来るだけ気分良く、を心がけるようにしました。

でも、信頼関係がしっかり構築されてくれば、あまり神経質になることもなくなります。まずそこまでは時間がかかると思って、努力することも大事ですね。

そして5つ目。
どんな場合でも、相手に対して感謝と尊敬の気持ちを持って、今どのような気持ちでいるか思いやる、ということを一番に考えるようにしています。

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