クラウドがメインフレームにも新たなスポットライトを当てるのかもしれない
IBMが開催した、メインフレームに関するブロガーミーティングに参加してきた。IT業界経験はそれなりに長いが、IBMのz、つまりはメインフレームの話をきちんと聞くのは初めてかもしれない。
IBMのメインフレームの歴史は、約50年。来年ちょうど50周年を向かえる。この歴史を経て苦労しているのが互換性の維持。これが大変に重要なのだと。実際、マシンが生まれた1964年当初の頃に、アセンブラで作ったプログラムは、最新のマシンでも動くそうだ。こんなに互換性の維持を長く続けているプラットホームは、たしかに他にはない。というか、そんなに同じシリーズのマシンが進化し続けているというのはたしかにない。
いまITの業界で仕事をしていると、UNIXやLinux、Windowsなどのプラットホームの開発案件がほとんどであり、メインフレームの仕事はごくまれだ。とはいえ、多くの社会インフラのシステム、銀行の勘定系や鉄道、航空会社の予約システムなどはメインフレームで動いている。世界をみれば、そのメインフレームのシェアはIBMがNo1。国内は富士通、NECとシェア分け合うような感じらしい。
ところで、メインフレームのことを汎用機とも呼ぶが、これはまさに1台で何でもできるマシンという意味。そのために生まれたのがOS/360(現在はz/OS)というオペレーティングシステムだ。この用途ごとにマシンを用意する必要がないというのは、運用管理の面などからは、ある意味理想的ではある。
とはいえ、現状は、少し様子が変わっている。マシン的に1つというのは変わりはないが、中身がハイブリッド化しているのだ。Linuxも動くし、Java VMも動く。これらは、専用のボードを搭載することで実現するらしい。
さらにメインフレームも今や、モバイル対応という時代。JSONに対応しており、スマートフォンのアプリケーションから直接メインフレームのトランザクションデータにアクセスするなんてことも可能なのだとか。なんだか時代も変わったなぁと。