オフィス環境も見える化の時代
昨日、ENEX2011というイベントに参加、ということで久々にエコに関するエントリーを。
このイベント、副題が「低炭素フロンティアを目指して」で、省エネ、新エネを推進するための技術や製品、システムを展示する展示会。イベントのターゲットが広すぎ、どこにフォーカスすればいいかが難しいけれど、エコカーから再生可能エネルギー技術、さらには効率的なボイラーだったりとさまざまな技の展示がなされていた。
このなかでちょっと気になって見に行ったのが、オフィス環境の見える化ソリューション。2010年4月から始まっている東京都の大規模なCO2排出事業所に対する総量削減義務規制の施行もあり、工場などはもちろん通常のオフィス環境もCO2排出量削減は急務。オフィスの場合、昼休みに消灯する、PCなどの消費電力が高い機器を省エネタイプに交換する、さらには冷暖房の温度調整で消費電力を抑えるというのが、その対策方法の中心だろう。もちろん、ビルを大幅に改造できれば、昼間は太陽光をうまく取り入れるとか、エアコンに地熱を利用するとか大胆な対策も可能かもしれない。とはいえ、これらはなかなかできるものではなく、こういった大規模な対策は、ビル自体のライフサイクルに合わせ考えていくことになるだろう。
さまざまな省エネ対策は、もちろん努力し続ければいいけれど、これ、やりすぎると就業環境が悪化しかねない。そうなれば、仕事効率も落ちてしまうかも。そして残業が増え、そのぶんエネルギー消費が増加するなんてことにも。
そんな際に重要となるのが、オフィス環境の見える化だろう。たとえば、必要ない部分の電灯を消灯する方法も、勘にたよって消す範囲を決めてしまうと実際には暗くて困るなんてこともあるかもしれない。同様にエアコンの調整だって、たんに温度設定を上げたり下げたりするだけでは、オフィスの就業環境を悪化することになるかも。オフィス環境が実際に今どうなっているのか、それをリアルタイムに把握できれば、その状況に合わせ適宜細かく調整することで、環境を悪化させずに省エネ化できることになる。
このオフィス環境の見える化で重要となるのが、センサー技術。そして、センサーから集まる情報を収集し実際に見える化するIT技術ということになる。センサーは、日本は得意芸。さまざまな便利なセンサーが開発されている。今回のイベントで、なるほどなと思わせたのが、無線式でかつ太陽電池搭載の温度や照度のセンサー。これ、電源供給なしでセンシングし情報を取得できる。なので、配線も特に必要なく後付けも容易、省エネ用のセンサーがエネルギーを消費しないというのはイメージもいい。
これらセンサーからの情報を収集し、見える化するアプリケーションとして展示されていたものの1つが、セイコープレシジョンのGreenTALK。これ、情報を収集し見える化するのはもちろん、結果に基づく制御も可能というもの。改正省エネ法に準拠した、エネルギー使用状況届出書、中期計画書、定期報告書を自動作成する機能も持っている。とはいえ、こういった製品はじつは各社から出ていて、それぞれにセンサーに特長があったり、レポートが充実していたり。
今回のGreenTALK、1つの特長がクラウド化されていること。工場やオフィスなど複数拠点がある際に、見える化の仕組みを自社内に持つ方法もあるが、クラウド化しておけばどこからでもすぐに参照できる。こういった、ある種ビジネスと直接関わらないようなシステムは手間をかけ自社構築するよりは、手軽にクラウドで実現しさらにはそれが資産ではなく毎月の経費で賄えるのも受けているとか。たしかに、規制に急いで対応するような場合、クラウドのサービスはうってつけかもしれない。
さらに、今回、見える化を参照する環境で、新たにスマートフォン対応をしたとのこと。これで管理者がどこにいても、リアルタイムに状況確認が可能となる。と、人ごとのように書いたが、じつはこのスマートフォン対応のところ、弊社で開発の手伝いをしたのだった。今回のターゲット機種は、Android搭載のGalaxy Tab。Androidの場合、機種ごとに画面サイズが違ったりOSのバージョンが異なっていたりと、それぞれに対応するアプリケーションを開発するのは難しい。ということで、今回はクライアントアプリではあるけれど、Webブラウザ型のクライアントアプリとすることでどの端末でもそれなりにきちんと表示できるような工夫をしている。このあたり、ターゲット端末をほぼ限定できるiPad/iPhoneとはちょっと異なる工夫が必要なところだろう。
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エコ関連の話だと、なかなかITと関わりがないかなとも思うが、実際のところ、ITが活躍するところはけっこうある。そういう話題は、ここでもっと積極的にとりあげていければなぁと思うところだ。