これは面白いがちょっと少なかったかなのエコプロダクツ2010
先週金曜日、エコプロダクツ2010を見に行った。金曜日の午後に到着すると、会場は人であふれていた。
それだけ、人々が「エコ」に対する高い関心を持っているということであり、これからの地球環境のことを考えれば喜ばしいことだ。とはいえ、金曜日の午後の会場を混雑の場に陥れていたのは、小学生から高校生の多くの学生見学者だった。いや、彼らが見にきちゃいけないどころか、これからの地球環境を担う彼らこそがエコに強い関心をもってくれることは、将来に向かって極めて安心できることだとは思う。けれども、多くの子供たちはエコに関心を持っているというよりは、お土産をもらうことに執心な様子。これはこれでいいのだろうかと、ちょっと疑問に思ったりもして。
さまざまな立場で出展しているので一概にはいえないだろうが、出展している多くの企業はなんらかビジネスのチャンスを見つけようとしているはず。そりゃあCSR的な観点で自社のエコ活動を広くアピールするというのもあるのだろう。けれども、コストをかけて出展しているのだから、なんらかビジネスに対するメリットを見つけたいはず。それが、子供たちへの対応でてんやわんやでは、はたから見ていて本当にこれでいいのかなぁと思ってしまったり。主催者側としては、大勢の参加者があるのだからいいじゃないかということかもしれない。ただ、ここでじっくり話を聞きたいなぁというブースがあっても、おみやげ目当ての子供たちが大勢集まっていたりすると、ちょっと遠慮しておくかということにもなってしまうわけで、これってビジネスチャンスを潰していることにはならないか。そう考えると、できることなら子供たち向けの見学日時を別途設けてもらい、一般の見学者と分けてくれるとよかったのかなぁと思ったりもして。
前置きが長くなってしまった。そんなこんなで、あまり隅々まで見学できなかったというのもあるのだが、今回、これは面白いという展示にはあまり出会えなかった。言い方を変えると、昨年からは大きな進化のある展示はあまりなかったのかなというところ。そんななかでも個人的に興味を持ったのが、リコーのブースで展示していたオゾンを利用した水の浄化技術の展示。これ、オゾンの酸化能力を使って浄化を行い、将来的には浄化した水を再利用して排水を出さない循環を実現したいというもの。肝は、オゾンをなるべく細かい泡にして水との接触面を増やして、浄化の効率を上げるというところ。エネルギー消費的には水を循環させるところと、細かいオゾンの泡を発生させるところくらいで、薬品処理や分離された不純物の焼却などもなく現状の1/4程度のCO2排出量で済みそうだとのことだ。
もう1つ気になったのが、ソニーの展示。色素の入ったガラスで光発電できちゃうというもの。これだと適度に光が透過して、ステンドグラスのような窓で発電ができることに。コスト効率的に目処が立てば、これって今後けっこう普及する可能性もあるんではないかなと思ったり。日本のメーカーは、じつはどこもかなり積極的にエコに取り組んでいる。ところがまだまだそれを伝えきれていないのかなぁと思ったりも。
エコプロダクツ2010には、NPOや学生なども出展している。いくつか、面白い取り組みをしているところもあった。昨年も購入したのだけれど、棚田を保護する一環で、棚田で作ったお米なんかも販売していて、ついつい購入。お米を購入しながら、棚田なんかがきちんと残せていけると、生物多様性的には効果的だよなと思ったり。学生の展示は、理科系よりも文科系の研究室やサークルの展示が目立っていたように思う。そんななかの1つに、ペットボトルのリサイクルについて考えたという内容が。内容的にすごいとかではないけれど、発想はそれなりに面白い。ゴミ箱を透明にすると何を捨てているか明らかなので、ゴミの分別が促進されるという話があり、これもっともだよなぁと。あまりお金や手間をかけずにできる方策も、まだまだあるはずだということを、改めて考えさせられるきっかけになったのだ。