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鳥のように高いところからの俯瞰はできませんが、ITのことをちょっと違った視線から

買う以外の選択肢

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 Twitterでつぶやいたら、思った以上の反響があったのでブログにしてみることにした。

 我が家には2匹のネコがいる。今年の6月に、2匹目のオスネコが新たに加わった。このネコ、利用している病院で保護されていたネコだった。推定4~5歳、子猫ではないのでなかなか引き取り手がなく、「病院のネコ」になりつつあったちょっと暴れん坊なネコだった。

 保護されていたいきさつは、以前の飼い主の方が高齢で入院することになり、一人暮らしだったためにやむなく(というよりは無理矢理)病院に預けていかれたとのこと。もちろんその方は、退院すれば引き取りに来るつもりだったのだが、残念ながら病院で亡くなってしまい、再びそのネコを迎えにくることはかなわなかったのだ。

 動物病院ではある意味仕方がなく、その後も面倒を見続けてきた。ただ、もともといたネコとの相性が悪く、誰かいいもらい手がいないかとは考えていたようだ。我が家ではネコを2匹飼っていたが、3年近く前に1匹が病気で亡くなった。残ったのは、今年で18歳になる高齢ネコ。1匹では寂しいかなぁとも考えていたが、相性が悪ければストレスになる心配も。そんなわけで、新たなネコを迎え入れるのは躊躇していた。

 その動物病院とは、すでに10年近いつきあいがある。たまたま、病院の前を通りかかったときに、そのネコの飼い主さん募集のチラシが窓に貼ってあり、それを眺めていたことがあった。その後、病院に出向いた際に、病院の先生もスタッフも、申し合わせたわけではないのに、我が家ならこのネコの飼い主にぴったりだと直感的に思ったのだとか。

 そこから話はトントン拍子に進み、結局は老ネコとのお見合いをしてトライアル期間に相性をみて、なんとかやって行けそうだという判断に。そして、無事に我が家の新たな一員となったわけだ。

 もちろん、このネコは病院が保護していたので、我が家に来ることがなくても殺処分されるなんてことにはならなかっただろう。とはいえ、子猫のかわいい時期を過ぎてしまうと、なかなかもらい手が見つからないのが現実だ。ペットショップなどでも子猫や子犬の時点で売れなければ、死を迎えることになる運命の子もたくさんいるはずだ。

 日経BP TRENDYnetの記事「動物と人間~そのやさしさの距離」によると、以下のような現状があるようだ。

2006年度の犬と猫の殺処分数はなんと年間35万3098頭(犬が11万7969頭、猫が23万5129頭)にも上る。実に毎日毎日967頭もの命が消えているのだ。

 ペットに関心のある方は、是非この記事を読んで欲しいと思う。ペットは、少子化が進むにつれ数を増やしている。その裏側ではこんな事実もあるのだということを知って欲しい。この記事の中でも触れられているが、ペットを「買う」という以外の選択肢もあるということを、心にとめてくれる人が増えてもいいのかなと。

 ペットを買ってはいけないということではもちろんない。そういう選択肢もあるよということだ。我が家にやってきたネコも、縁があって今ここにいる。こいつとも、できる限り長くつきあって行ければなぁと思うのだった。

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