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エコカー減税で自動車業界は復活するのか

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 環境メディアの記事によると、4月の新車販売は23%減で、どうやらエコカー減税の効果はなかったとのことのようだ。

 エコカー減税の制度が複雑で、顧客に十分に説明できないとか、減税対象になる車種が十分に各社準備できていないとかの理由から、実際に効果が出るのは今月以降だという分析もある。とはいえ、冷静に考えてみても、エコカー減税があるからといって、さらに2台目の車を購入するということにはならないだろう。そろそろ買い換えかなぁと考えている人が、エコカー減税を利用し対象車種をお得に購入するに過ぎない。いくらエコカー減税や補助があるからと言っても、車はいらいないと言っている若者が、それで車が欲しくなるわけではないはずだ。

 そもそも、これだけエコが叫ばれている時代なので、人々はいままで以上に車を大事にするはず。エコカー減税を利用し車を購入する環境意識の高い人は、次の乗り換えのタイミングはだいぶ先のことになりそうだ。そうなると、自動車ってやっぱり、もうそうたくさんは売れないわけだ。短期的な経済対策としてはいいかもしれないけれど、中長期的にはこの経済対策ってどうなんだろうと疑問に思ってしまうのだった。

 車をたくさん作って売るというのではなく、先進的でエコな新しい交通システムを生み出すのに投資するほうがいいのではと思う。そういう世界になったときに、既存の自動車メーカーがどういうポジションにいるのか。彼らがそういう世界でメインプレイヤーになるための投資が、国としてはじつは必要なんじゃないかとも考える。もちろん、そんなことは、天下のトヨタやホンダが考えていないわけはない。考えていないのは、選挙のことしか頭にない政治家のほうなのかなぁ。

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