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Google.orgは知っていますか?

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 Google.comには頻繁にアクセスしていても、Google.orgの存在は知らない人も多いかもしれない。

 先日サンフランシスコで開催された、Dreamforce 2008には、このGoogle.orgのエグゼクティブ・ディレクターである、ブリリアント博士が登壇し講演を行っている。で、このGoogle.orgだが、なにかといえばGoogleの社会貢献活動の1つだ。

 じつは、Googleは、Salesforceの有名な社会貢献活動の仕組みである1%モデルを真似した企業なのだ。ブリリアント博士は、GoogleはSalesforce.comの1%モデルをまねた、コピーしたのだと堂々と宣言した。Salesforce.comのCEOであるマーク・ベニオフ氏がフィランソロピー(Philanthropy:慈善活動、慈善事業、社会奉仕)の道を開き、Salesforce.comがさまざまな活動を実践してきたとも言う。

 GoogleではこのGoogle.orgというサイトを運営し、フィランソロピーの活動の1つとして運用している。その他にもGoogle EarthがNPOの活動の役立っていたり、クリーンエネルギーの開発に自ら参画したりと、さまざまな活動があるとか。Google Grantsという仕組みでは寄付により資金調達を行っており、すでに1億5,000万ドルもの助成金を、さまざまな活動に提供しているとのこと。

 じつは、この寄付や助成金の管理にはSalesforce.comの仕組みを利用しており、これがあるおかげで効率的で正確な管理が実現できているとブリリアント博士は言う。Googleの資本の1%、利益の1%、そして従業員の時間の1%を費やし、世界の問題の少しでも解決できればと考えているのだとブリリアント氏。何かを実現するにはお金だけがあってもだめであり、アイデアとそして企業家精神が必要だとも指摘していた。

 ところで、Googleの社会貢献の活動に、ちょっと面白いものがある。それは、インフルエンザが伝染し広がる状況を早期に把握し感染拡大を防ぐというもの。これには、Googleの検索技術が活用されているのだ。たとえば鳥インフルエンザが出現した際に、Google Newsで各地のニュースを検索することで、世界中のどの地域で鳥インフルエンザの感染が起こっているかをタイムリーに見つけ出せる。これにMap処理の技術を組み合わせることで、感染の拡大の状況がシミュレーションできるのだ。これは、研究者が情報収集して感染地図を作るよりかなり効率的そうだ。この仕組みは、すでにGoogle.orgのほうでFlu Trendsという仕組みとして公開されている。で、今泉さんのブログでもこの仕組みについてはすでに説明されている。

 地球温暖化など、地球は危機的な状況に向かっているように思われる。しかしながら、何か問題が発生すれば、人々はそこに駆けつけ助けようとする。ブリリアント博士は、ダライ・ラマ氏の言葉を引用し、それでも「人間はいつもよくなっている」と言う。つまりは、ある意味で楽観しているのだとか。

 大きな観点から長期的な視点で人類を眺めてみれば、世界は少しずつは良くなっている。実際に戦争は減少しているし、虐殺も減っている。もちろん、大きな課題はさまざまあるかもしれないが、それでも人類は少しずつよくなっている、と言う。そうであって欲しいと、強く思う。

 これはSalesforce.comやGoogleなども積極的に活動している、フィランソロピーというものが変わってきたからであり、ある意味で楽観的でいられるのはそういった活動が増えているからだとブリリアント博士は言う。若い成功した経営者が、素早くフィランソロピーの活動を起こしている。これは社会の仕組みよりも迅速なのだ。

 米国に比べて日本では、まだまだ企業のフィランソロピーの活動に大きく注目を集めるという状況はないようにも思える。今後出てくる若い成功する日本の経営者にも、フィランソロピーということがしっかりと根付けばいいなぁと思ったりしている。

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