買収したけど融合しない
一昨日にはしごした二件目の記者発表会はSAPとBusiness Objects合同での戦略発表会。この日一件目のOracleは自社の会議室で比較的こじんまりと開催だったが、こちらは帝国ホテルの会場で比較的大規模に実施していた。
詳細はすでにITmediaや@ITで記事になっているので、そちらを参照していただければと。感想としては、コンセプト的な両社の戦略や市場感はなんとなく理解できたが、具体的な2社による相乗効果をイメージできるまでにはいたらず。
SAPによりBOは買収されたけれど、BOブランドはこのまま引き続き継続し、会社としてのオペレーションも別でいくとのこと。これは、すでにBOはSAP以外にも多数のISVと良好な関係を持っており、そのいい関係を維持していくためにはSAPの色がつかないほうがいいという判断。
これはこれで正しい選択なのだと思うけれど、今ひとつ方向がはっきりしないようにも思える。しばらくは、両社の製品ラインもまったく別々のようだ。とうぜん、BOの製品はSAPとの親和性が今後高まることになるのだろう。しかし、それでも他ともやるよという。
市場というか顧客は、やっぱりBOはSAPの製品という目で見るのではないだろうか。既存顧客はともかく、新規ではやっぱりSAP+BOというセットでの導入が前提と顧客は考えそうだ。SAPとしては、顧客へのアプローチがBOの得意分野からもできるので、これはもちろん好材料だろう。
買収が得意なOracleは、基本的に買収した製品を自社製品に取り込んでしまう。たとえば、Oracle関連のBI系の製品のインターフェイスは、いまやどんどんSiebel化している。これはこれで、いままでの他のISVとの関係は思い切って断ち切り、製品のいいとこ取りをすることに注力するという感じだ。買収後の進め方で、さてどちらが正解なのか。結果が出のは2、3年後だろうか。