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オラクルはニッチベンダーから脱皮するという

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 先々週に引き続き、サンフランシスコにやってきている。オラクルの年次カンファレンスOracle OpenWorldに参加するためだ。今年のOpenWorldは、とにかく規模が大きい。

 まず最初に驚いたのが、モスコーン コンベンションセンターの西と南の2ヵ所にレジストレーションカウンターが分かれていて、プレス用のレジストレーションカウンターがなかなかみつけられないこと。それだけたくさんのレジストレーションカウンターがあるのだ。さらに圧巻は、北と南の会場を隔てていた道路を封鎖し、そこをパーティー会場および会期中のランチ会場にしてしまっていること。それだけ参加者が多く、従来のように会場内だけでは処理しきれないのであろう。道路を封鎖するということは、サンフランシスコ市としてもこのイベントに全面的に協力していることになるのだろうか。ちなみに、事前登録の段階で今回の参加者は、4万2千名を超えているとか。

Road_oracle

 

 セッション数も1,600を超えている。展示会への出展は420社。さらに、JD Edwardsに特化したセッションも水曜日と木曜日の2日間に別枠で用意されていたり、日曜日の夕方には早くもチャールズ・フィリップ社長のオープニングキーノートが開催されたりと、盛りだくさんな内容となりそうだ。

 おいおい、本体の記事のほうでもレポートする予定だが、とりあえずの情報として、今回のOpenWorldのキーメッセージは、「BETTER INFORMATION BETTER RESULT」というものになっていることを伝えておく。よりよい情報で、よりよい結果がもたらされるとでも訳せばいいのだろうか。この場合の「よりよい結果」を得るのはもちろん顧客企業であり、ここ最近オラクルが強く態度で示している「顧客志向」に繋がるメッセージとなっている。

 今回のイベントでは、Oracle E-Business Suiteの新しいバージョン、ミドルウェアではSOA Suiteのこれまた新しいバージョン、そして、なんといってもデータベースの新バージョンの話題も出てくるとのこと。ここ最近、製品の話題よりも買収のほうが目立っていた嫌いもあるが、オラクルとしては製品の幅を拡げるために自社で独自におこなう方法(有機成長)と買収による拡大の方法(無機成長)のどちらかに偏ることなく、双方を推し進めるとのこと。これだけのことをして、やっとニッチベンダーから脱出することができ、これでやっと業界で生き残り成長し続けるというのだ。

 はたして、オラクルをニッチと呼ぶだろうか。たしかにデータベースの会社というレッテルを貼るとなると、ニッチベンダーになってしまうのかもしれない。この理屈でいくと、この先に生き残れるのは、オラクル以外にはマイクロソフトとIBMだけになるのだろうか。SAPはERPベンダーというニッチから抜け出せるのか、さらにこれに続く企業は?

 今回のイベントを通して、オラクルがニッチの世界から脱皮している姿をしっかりと確認してみたいと思う。

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